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楽水庵ブログ 2014年10月 2ページ目

踵の痛み、本当に足底筋膜炎だったのか?

左踵が痛い、特に朝一番で階段を下りる時など手摺にすがらないと痛くて堪らないという事で来られた50代女性。

健康体操教室に通われていて、以前はその翌日に痛みがあった程度だったのが、最近では痛みが引かない模様。
以前、整形外科に行った際は「足底筋膜炎」と診断されたと言われていた。
また、かなり前にスキーに行った時に左膝を痛めたらしい。

やってみると、まず左後十字靭帯に問題があった。
そのせいもあり、膝窩筋の機能低下があったのでテーピング。

次にひらめ筋テープ・足底方形筋と踵の痛点に対しジェルフィッシュテープ。

だが、まだジーンとした痺れがある(^_^;)
そこで、仙椎1番にジェルフィッシュテープ。
だが、まだ痛みがある。

下腿部の前部をもう一度チェックすると前脛骨筋の状態が良くない・・・
そこで前脛骨筋テープを貼ると、かなり痛みが引いた。

帰る時に階段を下りるのが非常に楽と喜んでおられた。

これだけ左の状態が悪かったのにはいろんな条件が重なった為でしょう。
まず、左膝窩筋の状態が良くないので、その奥にある膝窩リンパ節の動きが悪くなり下腿部の機能低下を招いた。

おまけに右股関節の動きがかなり良くなかった(腸骨筋と縫工筋)ので、右股関節を動かす時に左足でかなり踏ん張っているように思われた。

だから、この症状を良くするには、左下腿部だけではなく右股関節の調整も必要。

しかし、そんなに時間は掛からないでしょう。
自分の結論としては、足底筋膜炎ではなかったと考えている。

トイレの近いのと朝一のおしっこのキレ(^_^;)

若い時からだが、涼しくなってくるとトイレが近くなる。

それと、これは寄る年波なのかも知れないが、朝一のおっしこがどうもキレが悪かった。
何かスッキリでない。
朝一以外はどうもなかったのだが・・・

まあ、50を超えると、男の場合どうしても前立腺の問題が出てくる。

そんな訳で、女性に対し仙椎3番のジェルフィッシュテープが月経不順とか不妊とかに役立つ事から、これを男性に当て嵌めてみようと考えた。

という事で、自分を実験台に(笑)
女性の子宮に当たるのが男性では前立腺。

それで先週から自身に仙椎3番のジェルフィッシュテープを貼ってみている。

でどうだったかと言うと、結構良いみたいです!
メチャクチャおしっこが保つかといえば、そこまでは言えないが結構前よりは我慢できる。
だから、最近はかなり薄着でも大丈夫)^o^(

それと何と言っても、朝一のキレが良い!!

ただ、ちょっとテープが今使っているものだとなかなか剥がれない。
剥がれないのは良いが、そろそろかなり劣化してきているので、貼り換えなくては(^_^;)

今日、協会の事務局長と電話で話していてこの件を言うと、「自分も貼ってほしい」と。
同年代だから、同じ悩みがあるんですね~

実はガングリオンでした(^_^;)

50代の女性。

前回ヘベルケン結節だと思ってそのようにテーピングしたが、病院で検査してもらったらガングリオンだと判明。

言い訳がましいですが、ちょっとこちらでは判りづらいので・・・(^_^;)

という事で、テーピングの仕方を変更。
スリットテープからリンパコレクションテープに変えてみた。

この方が痛みがなくなって良い感じらしい。

まあ、どちらでも対処できるという事でm(__)m

nakano_righthand02.jpg

坐骨神経痛とギックリ腰

かなり前から腰痛と右母指から小趾にかけての痺れを持っておられた60代男性。

ご家族が当院に通っておられて、何度も行くように奨められていたのだが、なかなか踏ん切りがつかなかったようなのだが、3日前にスーパーの駐車場で車から降りる際に腰を捻られたという事で来られた。

表現は変だが、フレッシュなギックリ腰。
それも、入浴するとか余計な(というかマイナスになるような)行為をされていなかったので助かった。

勘違いされている方もおられるかも知れないが、ギックリ腰のほとんどは骨には関係ない。
では、何故あのように痛いかというと、それは表面上の痛みだから。

痛みというのは、浅い処の方が激しい。
深い処の痛みは、痛い事は痛いが「なんか体の奥の何とも言えない気持ちの悪い痛み」とほとんどの方が表現されるような痛みである。
そのいい例が梨状筋とかの深層筋の痛み。

だから、表面がそんなに痛いのだから奥はもっと痛いだろうというと、それは一概には言えない。
案外、奥の方はそんなに痛くない事が多いのです。

前にも書いたが、ギックリ腰の場合はしっかりした検査は無理。
まず、炎症を起こしている部分のリンパを流すコレクションテープを貼って、リンパの流れを促進し患部の炎症を軽減させる。

次に少し楽に動けるようになったら、トリガーポイントで原因の筋肉を探して、それへのテーピング。

急性期に手技は禁物。
テーピング及びアイシングだけにしておくべき。
それも炎症の強い患部だけに限定しておくべき。
他の部分は後回しにしても良い。

この方の場合、椅子から立ち上がる時に非常に痛いのと、痛い場所が仙骨付近だったので右胸最長筋と推測。
念の為テストをすると完全に陽性だったので、テーピング。
また右内腹斜筋も弱っていたので貼付。

次に痺れの対処。
これは右腰椎5番と仙椎1番に神経障害があったので、ジェルフィッシュテープ。
梨状筋も弱かったので、通常ならスリットテープを貼るのだが、リンパコレクションテープと貼る方向が逆になり皮膚の動きが悪くなる恐れがあったので、πテープにした。

炎症があったので、完全に痛みは消えなかったが、アイシングとアイシング後にバイオフリーズを塗るようアドバイス。

2日後に来ていただいたが、かなり痛みは軽くなっていた。
もう一度検査をすると、胸最長筋は良くなっていたが腰腸肋筋が陽性だったので、テーピング。

また腰痛の原因にひらめ筋もあったので、両方に貼付。
右長母趾伸筋と長趾伸筋のテーピング。

テーピングなしでも痺れが取れるまでにはしばらく掛かるので、しばらくは週に1度ぐらいのペースで来ていただくつもり。

adachi_norio.jpg


「肘の力が抜ける」

顎関節等で来られている女性。

首の中斜角筋等のリリースをしている時に「痺れ出ませんか?」と尋ねたが出ないとのお答え。
ただ、肘の力が抜けたような感触があったとの事。

これも一種の「胸郭出口症候群」です。
腕が重く感じたりするのもそうです。

どういう出方をするかは人それぞれで、同じ人でもその時の状態で症状の出方が異なります。
胸が締め付けられるような症状がたまに出る女性もおられますが、毎回出る訳ではありません。

まあ、少し苦痛を感じる事もありますが、その後スッキリするので多少痛いのは我慢していただいています。

「足関節が回外できない」

顎関節症で来られている20代男性。

顎関節は別ブログで書いたが、今回「右足関節が回外できない」と言われていた。

検査してみると腓骨筋の機能が著しく低下。

これだけだと、単に筋機能低下の可能性も考えられる。
ただ、この男性の場合ひらめ筋が弱いので「空気椅子」のエクササイズをしてもらっているが、右がなかなか強くならないとも言われていた。

そうすると、これは腰椎5番の神経障害の疑いが出てきたので、触診してみると確かに少しあった。

そこで腰椎5番にジェルフィッシュテープを貼付すると、腓骨筋の機能が回復し、ひらめ筋の反応も大幅に向上した。
もちろん足関節も容易に回外できるようになった。

難しいのは、腓骨筋の機能低下の場合腰椎5番・仙椎1番どちらでも起こるという事。
どちらの神経もその辺りを走っているせいだろう。

見分け方としては、下腿背部の機能低下及び長母趾伸筋等の機能低下なら腰椎5番、長趾伸筋の機能低下なら仙椎1番、といったところか。

熊手テープで顎二腹筋の状態が大幅に改善、顎がメチャクチャ楽に

顎が痛いので通われているが、顎二腹筋と咬筋の状態がまだ悪く耳の下あたりの痛みが残っている20代男性(リンク参照)

2週間ぶりの来院でまだ違和感(軽い痛み)が残っていた。

首(後ろ)の張りがかなりあったので、それをリリース及びテーピングで状態を改善。

顎二腹筋もリリースするが、まだ違和感が残っていた。
前回はπテープを貼ったが、今回は1.25㎜の細いテープを3本に切った熊手テープを両耳の下から顎二腹筋に沿って貼ってみた。

すると、片方で既に効果を感じたようでもう片方を貼ると物凄く楽になった模様。

顔(というかアゴだが)のので本当は余りテーピングしたくなかったのだが、本人が嫌がらなければこのやり方もありかなとは思う。

そして、このリンパコレクションテープの貼り方が凄く有効だったという事は、顔の輪郭その他の問題でちょうど顎のライン辺りのリンパの流れが悪いとも考えられる。


軟部損傷にRICEは有効か?

応急処置に RICEという原則があります。

R=rest 休ませる・寛がせる、窮屈な服なら弛めてあげる、
I=ice   患部を冷やす、
C=compression 患部を圧迫する・固定する、
E=elevatoin 患部を心臓より高い位置に挙げる、これによって血液の戻りとかを促す、

の4つです。

確かに、出血・骨折・脱臼とかの場合はこの原則は有効ですが、所謂スポーツ障害に多い捻挫・打ち身・肉離れ・野球肘や肩、シンスプリントやオスグッド、それに一般によく起こるぎっくり腰や寝違いにこの4つの原則を当てはめると、却って逆効果になってしまうケースが多々あります。

例えば、打ち身や内出血の場合にアスレチックテープなどで固めてしまうと体液(血液・リンパ液)の還流が阻害され、却って内出血が酷くなったりする事があります。
肉離れをアスレチックテープで固めてしまい、症状が余計に悪化した高校生もいました。

そういう場合は、キネシオテープを適切に貼り、皮膚を受けせる事によって隙間を作って、その隙間に体液を流すような事をする方が得策です。
靭帯の部分断裂などもキネシオテープの特性(縦には伸びるが、横には伸びない)を上手く利用すれば状態はかなり改善します。
靭帯自身は痛みを感じません。ただ、靭帯が弛みきってしまうと周りの筋肉がシッカリ機能しなくなるので、そのギャップで痛みを感じてしまうのです。

また、elevation もキネシオテーピングを選択した場合必要ありません。
キネシオテーピングに精通している施術者は、どうすれば体液の還流がより促されるかを考えてテーピングしますし、また講習でもそれを教えます。

ですから、軟部損傷の場合は、R と I は大事だと考えますが、C と E は必要ありません。
ハッキリ言ってしまうと、R はやめた方が賢明です。

逆に、浮かす( F=float) の方が回復を促してくれます。

もちろん、RICE は上記の通り、必要な場合もあります。

ただ、大抵の軟部損傷の場合は、RIF ではないかと私は考えます。

時折スポーツトレーナーの方々のテーピングを見掛ける事がありますが、折角キネシオテープを使用していてもそのキネシオテープの特性を理解していないが為にアスレチックテープと同じ貼り方をして、結局意味のないテーピングをされている方が多いです。

非常にモッタイナイ話です。
アスレチックテープとキネシオテープは全く別物で、キネシオテープを使う場合は RIF の発想で貼ってもらいたい、そうすればもっと活躍できるアスリートが出てくると実感しています。

蛇足ですが、起床した時の軽い寝違いなんかでしたら、R と I だけでも結構効果がありますよ。
昔、この仕事をするずっと前に寝違いを入浴したりストレッチングでこじらせた自分の体験からです。
氷水で冷やし、バイオフリーズなんかを塗っておけば多少の寝違いなんかは直ぐに良くなります。



肩・首の張りから頭痛・顎の圧迫感、ただ原因は腰かも?それとリンパ節

昨日他府県からお越しになられた20代の女性。
 
4年前から左の肩のこりを感じ、それから首のこりや頭痛に顎の圧迫感を感じられている。
左腰の張りも普段からある模様。
 
時間の関係上少し短縮バージョンになったが、検査してみるとかなり腰に問題がある。
特に股関節周りで、左ばかりでなく右の梨状筋や仙腸関節にもかなり張りがあった。
 
首や肩の張りも結構あったが、それは直ぐにほぐれた。
顎も左の下顎骨後頭骨靭帯が少し弛いのと外側翼突筋が少し張っていたが、重症の方のように奥が詰まっている感じはあまりなかった。
数回通っていただければ、かなり良くなる手応え。
 
ご本人曰く「直ぐにほぐれるがまた直ぐに戻る」との事。
今までいろんな施術を受けられたそうで、筋肉名も結構ご存知の様子。
 
ただ、この方の首や肩は腰をよくしないと根本治癒にならないと思われる。
首と腰は脊柱で繋がって互いにバランスを取っている。
「首を良くするには腰から、腰を良くするには首も」一緒に施術しなければ効果は出にくい。
 
それと、鎖骨下リンパ節や腋下リンパ節の詰まりが結構あった。
いくら筋肉をはぐし血液やリンパの流れを促しても、特に出口のリンパ節が使っていればリンパ液の滞留を招き、結果的に効果は続かない。
 
この2点に留意して施術をして、ドンドン良くなってもらいます!

「初心者が力んで当たり前」

よくどんなスポーツでも初心者の方に「もっと力を抜いて」みたいなアドバイスをするコーチが多いですが、どうもいただけません。

何故なら力を抜くどころか肝心の力を入れるポイントも判っていないのですから。

逆にこのポイントでこういう風に力を入れるとアドバイスした方がイメージしやすいと感じます。
「力を抜け」という抽象的なアドバイスはそんなにありがたいアドバイスではないでしょう。

力を入れるポイント・筋肉などが判ってくると自然にリラックスした動きができるようになります。
最初からそういう風に動ける人は、過去に似たような動きを会得していると判断して良いでしょう。

だから、「力を抜け」とうるさくアドバイスしても、それ自体がプレッシャーになり余計に力んでしまいます。
そして、力んでいる分早く疲れます。
しかし、それで良いのです。
疲れたら休ませてあげたら良いのです。

それを「疲れてきたら力が抜けて良い」みたいな考えで続けさせてしまうと、いきなりスポーツ障害になるリスクが高くなります。

熟練者よりも初心者の方が疲れやすくて当たり前。
しっかり動きが頭でイメージできて身体が付いてくるようになると、自然に無駄な力みは取れ疲れにくくなります。

人それぞれイメージングの能力も異なります。
だからころ指導する側の忍耐が試されています。
京大のアメリカンフットボール部が強くなった頃、新入生は練習だけしてれば良く、雑用は上級生がやるという方針でした。
今は知りませんが、物凄く理に適ったものだと感心しました。
新入生は心身共に上級生より疲労度が高いものです。
その新入生に強くなってもらうには、心身両面の疲れを取る事が重要で、当時の水野監督の名判断と言えるものでしょう。

将来凄い選手になるポテンシャルのある子を育てる・潰すのも最初のアプローチ次第だと思います。
コーチングする方も焦らず長い目で育てるようにしていただきたいと願います。

そうすれば、スポーツ障害になる選手も減っていくでしょう。





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