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楽水庵ブログ 2015年1月 2ページ目

ずっと腰痛に悩まされていた女性に

以前ずっと通われていた60代の女性。

膝が痛いので、久しぶりに今月お越しになって今日は2回目。

膝は後もう少しの状況で、スポーツクラブでスクワットをしても違和感は感じなくなっている模様。

ただ、この方は昔事故で右手の機能を喪失された方で、左手しか使えない生活のせいか長年腰痛に悩まされていた。
初めてお越しになった頃は、部屋に掃除機を掛けるとその後3日間寝込むような状態だった。

通っておられる内に徐々に良くなってはおられたのだが、後もう一つのところで腰の痛み・違和感は確かに残っていた。

自分もこの間の大学生に対するテーピングの事もあり、先に左脊柱起立筋の拘縮しているところ、ここが悪さをしていると判断し EDF テープを貼付してこの箇所の筋膜の流れを良くした。

すると、施術中に身体の向きを変えたりするのが非常に楽になった、と。

なかなか診立ては難しいが、長年結構な腰痛に悩まされている方は、どこか皮膚・筋膜の流れが滞っている個所がある事が多い。

先にそれを見つけ出し弛めてあげると、他の筋機能も正常化する可能性が高いので、結果的にそんなにテープを貼らなくても効果が出やすい。

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「第1回 一般市民向けセミナー」の詳細について

テーマは『首』です。

パソコン主体でデスクワークをされている方はもちろん、スマホ等の普及により以前よりも首の痛み・ハリ・不快感をお持ちの方は非常に多くおられます。

そして、そういう首の症状を放置しておけば、手や腕の痺れや頭痛を引き起こす可能性が非常に高いのです。

そういう訳で、第1回セミナーのテーマをこれに選びました。

具体的には、下の画像のようなπ(パイ)テープというキネシオテープを丸くカットしたものを、傷めている筋肉の走行に合わせて貼る事によって症状の改善させていく事を学んでいただきます。

何故、πテープなのか?
実際キネシオテーピング協会のテキスト(自分も基礎講座などではこの方法を教えます)や加瀬会長の本とかでは、筋肉の走行に合わせてラインで貼っていくやり方が紹介されています。

ただ、首をラインで貼るのは実際にはかなり難しい問題があります。
首の皮膚というのは他の部位に比べても非常に伸びます。
首にラインでテーピングするには、該当する筋肉をストレッチポジションにし、かつ皮膚の遊びを完全に取り除く必要があります。
これができないと、貼っても非常に違和感が残ります。
筋力の弱い女性などは逆にしんどくなってしまう可能性もあります。

また、正直キネシオテーピング自体がまだ世間でそれほど認知されていない為に、首等の目立つ場所にラインでテーピングすると学校や職場で目立ってしまい学業や業務に支障をきたす事もあるのです。
これがπテープですと、見た方が勝手にピップエレキバン程度に勘違いされたりするので、「ああ、首が少し辛いんだな」ぐらいで済みます。
残念ながら、キネシオテープをラインで貼ると「そんなに悪いのか!」と言われたりするので、非常に理不尽だなとは思いますが(笑)

こういう次第で、「『首』へπテープを貼る」セミナーをさせていただきます。
私がπテープを用意いたしますので、第1回はテープもハサミもご用意いただく必要はありません。

それと、定員を10名(先着順)とさせていただくのも、単なるテーピングの紹介ではなく、参加された皆様がそれをしっかり自分のものにしていただいておかえりいただく為に、10名程度に限定しないと不可能だからです。

私が、臨床体験で得た判りやすい診立て方や貼り方を、皆様に包み隠さずお教えさせていただきます。

日時は、2月5日(木) 20時~22時
場所は、JR長岡駅横の bambio 長岡京市中央生涯学習センター会議室、
参加費は、1,000円です。

お申し込みは、電話/FAX 075-925-5951  Mail : rakusuian@gmail.com まで
*なお、FAX でお申し込みの方は、キネシオテーピング協会サイト内の私の講座情報内で申込用紙をダウンロードできます。
 ダウンロード後に必要事項を記入し送信してください。
 メールでお申し込みの方は、この申込フォームに必要事項を入力して送信していただけます。

皆様のご参加、お待ちしております。

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下僧帽筋と烏口腕筋の密接な関係

僧帽筋の下部 下僧帽筋は解剖学で言えば「上肢帯を引き下げる」機能と書かれている。

確かにその一面もあるが、それは筋繊維が停止から起始(下僧帽筋で言えば肩甲骨の上から胸椎12番の方向に)動いた場合である。
下僧帽筋は起始から停止に動けば、今度は「上肢帯を引き上げる」機能を持つ。

このように、起始から動く場合と停止から動く場合の2つの動き方をする筋肉も結構多い。

さて、「上肢帯を引き上げる」場合、密接に関わっている筋肉が、烏口突起から上腕に繋がっている「烏口腕筋」と呼ばれる筋肉。
この筋肉は上腕(二の腕)を拳上する機能を持っている。

つまり、下僧帽筋が「上肢帯を引き上げる」動きをしようとしている時に、烏口腕筋の機能が低下していたら上手く機能しない。

自分は下僧帽筋の筋機能テストをするのに「上肢帯を引き上げる」方をするので、これで陽性なら次に烏口腕筋をテストする。
それで、烏口腕筋の問題なら調整して、もう一度下僧帽筋のテストをし陰性になっているか確認する。

陰性になったのなら、それは烏口腕筋の問題だったと解釈している。

「上肢帯を引き上げる」動きの場合、烏口腕筋は下僧帽筋の「協力筋」になると考えられる。

寝違いの意外な原因

少し前に「聴覚過敏」になられた女性について書いたが、どうも寝違いを起こした事も関係あるようだ。

寝違いで一番傷める首の筋肉は「肩甲挙筋」、肩甲骨の内側から頸椎1番に繋がっている。
これの動きが悪くなると、耳の後ろにある「乳様突起」も後ろに引っ張られるので耳に影響を与える事も十分考えられる。

そして、寝違いを起こしたのが前回の施術の翌日。
楽になって帰ってもらった筈なのに意外だなと感じていたが、たまたま施術中に家の暖房費(寒い時は高く付きますね~)の話になって原因がハッキリした。

その前に施術の際にも、「最近起きたら腕を頭の上に放り出していた」みたいな事を言われていたが、どうも電気毛布の温度設定が髙過ぎるのだ。
足元を温めようと高めの温度にしていたら、上半身が暑くて腕を知らぬ間に放り出しているようだ。

その寝相になったのは電気毛布を使いだしてから?と確かめると、ビンゴ。

たまたま、放り出した腕が頭を抑えるような形になって寝違いを起こしたのだろう。

折角楽になって来ておられるのにお願いしますよ(^_^;)

尺骨側の腱鞘炎、意外な筋肉も

剣道をやっている高校生、ここしばらく右手首尺骨側(つまり、小指側)の腱鞘炎に悩まされている。

もちろん、尺骨側にある尺側手根屈筋や伸筋等の筋機能も問題があるが、反対側(撓側、つまり親指側)の腕橈骨筋も筋機能が低下していた。
撓側の筋肉が弛みにくいので、余計に尺側の筋肉に負担が掛かっている。

そして、もっと意外なのは、広背筋。
広背筋の拘縮があるので、腕を伸ばした時に尺屈しようとする時に引っ掛かる。

なかなか手首の腱鞘炎で首は診るものの、背中の筋肉までチェックするのは怠りがち。
ただ、人間の身体は結局一枚の大きな皮膚・筋膜で覆われているようなもの。
いわば、動物の毛皮のようなものである。

だからどんな症状でも、患部の局部だけでなく全身を診る必要性があるとつくづく感じた。

如何に問題の本質を掴むか・・・

昨年9月から通っている大学生。

顎・首・腰・足首等、様々な問題を抱えている。

元々陸上のジャンパーだったが、高校時代に重い捻挫をして、それを庇っているうちに腰痛が重症化。
大学に入ってから別の競技をしていたが、腰痛の為それも断念。

昨日初めて言ってくれたが、講義時間ずっと座っているのも厳しいらしい。

段々と良くなっているのだが、まだスッキリと全てにおいて改善できていない。

写真のように各種テーピングをしていくうちに、本人もアピールしていたが右腰の(マーキング跡がある)部分のシコリが非常に強いのが判明。

これは脊柱起立筋が拘縮したものと思われる。
ただ、普通に脊柱起立筋のテストをしても陰性になる。
が、左右に動かすとこのシコリが邪魔をして周りの筋機能にまで影響を与えている模様。
そして、脊柱起立筋は非常に大事で立っていても座っていても常に作用している。
自分も一昨年脊柱起立筋を傷めてかなり苦しんだ経験があるので、その痛さは多少とも判る。

だから、いろんな筋肉が不具合を起こし、首もスッキリいかず顎周辺が痛むのではないかと思われる。
やっと辿り着いた彼の問題の本質。

問題の箇所にEDFテープを貼ると、非常に楽になった。
時間がかなり掛かり終電がなくなったので車で送ってあげたが、調子が悪いと電車で少し座っていてもシンドイらしいのだが、このテーピングのお蔭か30分近く座っていても大丈夫だった。

先にこのテープを貼っていたら、ここまで貼らなくても良かったのかも知れない。

自分の未熟さを痛感。

彼も腰がスッカリ良くなったらまた陸上競技をしてみたいらしい。
そうなれるよう、こちらも全力で彼をサポートしていく。

その為にも戒めに写真もアップしておきます。
偉そうにセミナーをしている時に、「たくさん貼るのは下手な証拠」と言っていたので・・・反省します。

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年末年始にスマホ・ゲームのやり過ぎで・・・顎が痛い

先日夕方にチャイムが鳴り、表に出たら「お休みですか?」
「完全予約制です」と言うと、ご近所の方らしく息子さんが顎が痛くて口が開かない、と。

次の方まで少し時間があるので診させてもらう事に。
中学3年の受験生なのだが、年明けから顎がカクカクしだし10日ほど前から口が開きにくい、顎が痛いという状況になってきたそう。

年末年始塾も休みだったので、いつもよりスマホやゲームをやり過ぎたのだろうと聞くと正にその通り。
変な姿勢で長時間スマホやゲームをやっていると首の筋肉を傷めやすい。
特に頸椎1番に近い筋肉を傷めると顎の靭帯が引っ張られ弛んでしまう。
顎がカクカクするのは、ほとんどが側頭骨と下顎骨を繋ぐ靭帯が弛んでしまう為。
そして、その次に顎の付近にある外側翼突筋等が拘縮してしまう。
これが、顎の痛い原因の主たる原因。

この中学生も中斜角筋や後斜角筋、それに上僧帽筋を傷めていた。
ただ、筋肉自体は野球をやっているせいもあり非常に弾力姓のある良い筋肉だったので、テーピングをしてリリース。
顎の靭帯も弛みをロックさせるテーピング。
それだけで状態はかなり改善。

そして、顎の筋肉を直接弛める手技。
かなり痛がっていたが、終わった後「もうやめとくか?」と尋ねたら「何か良いので続けます」との返事。

先ほども書いたが、良い筋肉をしているので後1~2回で顎の症状はすっかり良くなるだろう。
もちろん、スマホやゲームをやり過ぎたらその限りではないが、受験前なのでそんな事はないでしょう(笑)


テープを貼っているから重症とは限らない、自分の身体と対話できている証拠です!

先日滋賀県立体育館で行われた、マシンローイング近畿大会へ仲間3人と共にテーピングサービスに。

大会自体も前回までの東レ体育館に比べ大きくなったし、主管されている瀬田漕艇クラブさんが単なる記録会ではなく見られている方も楽しめるようにと、様々な趣向をこらした一大イベントになっていた。

そういう中でかなりの数の選手や一般の方がブースに来て下さった。
今回で5回目だったが、年々テーピング希望者の方が増えているように感じる。

最初の頃は勧めても、「別に痛いところありません」と言われる事が多かった。
それが毎年のように行かせてもらっているので、流石にそう言われる事はなくなってきた。

まだまだテーピングをしていると、「そんなに悪いのか?」と思われる風潮がある。
テレビでスポーツの試合を観ていると、やはり実況アナウンサーや解説者がそう言っているのを耳にする。

現に自分も少し違和感がある箇所に即テーピングするようにしている。
仕事柄前腕に貼る事が多いのだが、たまに献血に行ったりすると日赤の看護師さんに「大丈夫ですか?」と尋ねられたりする。
以前は「こういう仕事をしている」と言って納得してもらっていたが、最近は邪魔くさくなってきたので放置プレイ(笑)しているが・・・

しかし、実際のところどんなトップアスリートの人でもどこも不満な個所がないかといえば、そんな事は決してない。
また、より高みを目指す人にとって自分の身体としっかり対話して、「ここがこう、あそこがこう」という風に感じる事ができなければ上のステージに上がっていくのは困難だろう。
単にスキルの問題なのか、そのスキルを会得するのに身体のどこかの機能が劣っているのか、そういう事を感じなければいけないと思う。
そして、自分の調子が良ければ良いほど、逆に自分の身体機能をチェックしやすい。
そこでテーピングして更に自分のコンディションを整えていく。
それが一番理想的な形なのだろう。

これからは、キネシオテーピングしている選手を見たら、「痛そう」ではなく、「ああいう風に貼って自分の身体と会話している偉い選手だ」ぐらいに思ってもらえる風潮を作り出していきたい。
その為にも微力ではあるが、力を尽くしていきたい。

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聴覚過敏で「メイラックス」を処方され、全身倦怠感(^_^;)

腰や首の状態が悪化し、仕事を数ヶ月休まれていた女性。

11月から通院され、かなり状態が良くなられたので今年から電話オペレーターの仕事に復帰された。

だが、最近音が普段より大きく(喧しく)聴こえるようになり、耳鼻科に行くと機能的には問題なく、自律神経のバランスが悪い(交感神経優位)為に起こっているのではないかという事で「メイラックス」という薬を処方され服用した。

内服薬か座薬かは聞き忘れたが、耳鼻科の意思曰く「これは一番軽い薬だから大丈夫」という話だったのだが、服用した翌朝意識が朦朧とするほどの眠気に襲われ、自分で運転するのが危なそうなのでご主人に送迎してもらってきたほどだった。

それで、肝心の聴覚過敏はどうだったかというと、「変化なし」。
これでは全く「百害あって一利なし」だったのではないだろうか?

メイラックスは調べてみると、どうやら「抗鬱剤」の一種のよう(リンク参照)。
確かにこの手の薬では一番軽いのだろうが、少なくともこの方には合っていないだろう。

今週ある事情で寝違いをされたのも(別にブログで書く予定)、聴覚過敏を起こした原因の一つではないかと推測している。
首の筋肉をテーピングやリリースで弛め、足趾にある耳の反射区を刺激したら知覚過敏の症状はかなり治まった。

やはり安易に薬を処方されるのは考えものだと実感した。


外国人選手(特に野球)の身体の使い方

よく野球評論家の方が外国人投手や打者のフォームを、「腕っぷしに頼って下半身が使えていない」と言っている事があります。

しかし、果たしてそうでしょうか?

以前にミレーの絵画「落ち葉拾い」について書きましたが、彼ら欧米人と我々日本人とは筋肉の機能が異なっていると思います。
これは、コーカソイド・モンゴロイドとかの人種の違いではなく、祖先が狩猟主体の生活をしていたか農耕主体の生活をしていたかによるDNAの差ではないかと自分は思っています。
だから、同じアジア人でもモンゴルの人と日本人とでも異なっていると思います。

特に腸腰筋(大腰筋・腸骨筋)の機能がかなり異なっています。
腸腰筋は本来はインナーマッスル(深層筋)なのですが、狩猟民族は獲物を得なければ生きていけないのでこの腸腰筋の機能がアウターマッスル化していると考えています。
だから、一瞬の力は出るが持続させるのは苦手。
しゃがんだり、中腰の姿勢を続けるのは非常にしんどいのです。

翻って我々農耕民族を祖先に持つものは、しゃがんだり中腰の姿勢をキープするのは得意(最近は変わってきているが)なのですが、腸腰筋の大きなパワーは出しにくいのです。
例外は勿論あって、陸上短距離で活躍されている方等は先天的にその機能が優れている方が多い。
福島 千里選手も身体は細いですが大腰筋はかなり太いそうです。
トレーニングで逆さ吊りになって腹筋をされているのをテレビで見ましたが、あれは腹筋だけでなく大腰筋が強くなければできません。

この違いを芸能で例えると、「バレエ」と「歌舞伎」の差ではないかなと感じています。

だから、モンゴルの人が相撲の稽古をしていくと(最初は苦労するでしょうが)強くなるのでしょうか。
ハワイ出身の力士達も「腰高だ」とか言われましたが、実際はしっかり下半身の力を使えていたと思います。
ただ、一般の日本人力士と比べてフォームが違うので、そう言われていただけではないでしょうか。

ハッキリ言って、上半身などいくら鍛えても下半身ほどのパワーは出ません。
速い球を投げられたり強打できたりするのは、彼らなりに下半身の力を発揮できているからです。
ただ、我々日本人から見たら「腕っぷしだけでやっている」と見えるのです。
「見た目のフォーム」だけで判断するのは早計だと感じます。

残念な事は、その腸腰筋の粘り強さを祖先から受け継いだ現在の日本人が、生活の欧米化に伴い「しゃがむ」という動作がなくなってきて腸腰筋が弱くなってきていている事実です。
よくトイレが洋式になった事が原因と言われます。
確かに自分も洋式を使っていますし、これまで変える必要はないと思いますが、その分補うような動きを子供の時からさせていく必要はあるでしょう。
そういう意味で、「ヤンキー座り」なんかは良かったかも知れませんね(笑)



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