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楽水庵ブログ 2017年6月 2ページ目

階段や石段を下りる、これもトレーニング

こんにちは、楽水庵です。

最近急に真面目になって(笑)、毎朝早目に起きてロードワークをしています。
以前は早歩きをしていたのですが、先月中頃からノルディックウォークならぬノルディックジョギングをやっています。
ノルディックで走るのは最初難しいですが、これも生まれて初めて自転車に乗るのと同じように慣れれば問題ありません。

うちから走って15分ぐらいで氏神さんである「向日神社」があります。
表参道はなだらかな直線のスロープなのですが、裏側は崖で約100段ほどの石段です。

muko_ishidan1.jpgmuko_ishidan2.jpg これをダッシュで3回ほど走る(これは普通のランニング)のですが、この石段かなり奥行きがあるので片足で1段ずつ下りていくのは、上りダッシュで脚が疲れている時結構大変です。

その時ふと思ったのが、所謂「脚に身が入る(みがいる)」状態。
筋肉痛の事なんですが、これって関西の方言のようですね(笑)。
激しいトレーニング・練習をした後に、1週間ぐらい階段を下りる時に手摺に縋らないと降りられないほどの筋肉痛を経験された方も結構おられるでしょう。

あれって確かに階段を上る時も多少辛いですが、圧倒的に下りる時の方が痛いですよね。
では、何故か?という事を向日神社の石段を下りながら考えたら、この下りる動作って実は「片足スクワット」になっているからです。
上りの時ももちろん片足を挙げますが、下りと違って腰を落とす事はありません。
この下りの「片足を挙げて腰を落とす」、これこそ片足スクワットでだからこそ下りの方が脚に来るのです。

なおかつここで問題なのが、痛いのは太腿の前面で、大腿四頭筋が原因でここをマッサージすればマシになると考えがちです。
ところが、違います。
筋膜的な繋がりや筋肉の拮抗関係から太腿の後ろの張りは中殿筋、前の張りは大殿筋が原因の事がほとんどです。
「片足スクワット」になった時に大殿筋が機能しない為に、拮抗筋である大腿四頭筋にシワ寄せが来るのです。
ですから、こういう場合大腿四頭筋よりも大殿筋を緩める必要があります。

さて、石段の話に戻ると、上りばっかり意識しないで下りでの「片足スクワット」を意識すればもっと良いトレーニングになると感じました。
具体的には、片足を挙げている時間を長くしてなおかつ腰を一度更に落としてから下りていく、という具合にです。
今度行ったら試してみようと思います。
ただ、下りも結構脚を使うので3回も上れないかも(^_^;)

楽水庵





仙腸関節に効く、「四股」の考察

こんにちは、楽水庵です。

仙腸関節の動きが悪い方は結構おられます。
普段の生活で「横へ動く」という事はあまりないからです。

バスケットボールみたいに横へ結構動く競技とかは別にすると、特にボートや自転車等の競技は前後の動きしかないので普段から気を付けていないと仙腸関節の動きが段々と悪くなっていって、最終的には股関節の可動域を下げパフォーマンス低下を招きます。

ですから、サイドステップや四股を普段から行うように推奨しています。
その中で、今回は「四股」について考察してみます。

先月福島に行った際に受講者の中で相撲の指導者の方がおれたので、四股について少し指導していただきました。
自分も毎日少しずつやってはいるのですが、その方が四股を踏んでおられるのを見ていると全く自分の毎日踏んでいるのと違う。

何が違うか?
その時は理解できませんでしたが、最近こういう事なのだと判りかけてきました。

また下手な図ですm(__)m

shiko.jpg

その福島の相撲の方も、以前京都でお会いした相撲の指導者も口を揃えて「四股は片脚スクワットです」と言っておられました。
あ、なるほど!
今までの自分は、1のように腰を落とした状態からそのまま脚を挙げていました。
ところが、それでは単なる「横蹴り」になってしまうのですね。
お尻の横、つまり中殿筋とかには効きますが、「片脚スクワット」というからには「大殿筋」や「大腿四頭筋」にも効かせたい、そうすればもっと運動量が上がります。

つまり、2のように腰を落とした状態から少し上げる方の脚を浮かせ、そのままその脚を挙げていくのではなく、一旦そこで支持脚の方を下してから挙げる、これで相撲の方達が言っておられた「片脚スクワット」になります。

確かに相撲の方が四股を踏んでおられるのを見ると、非常にユッタリとしたリズムでやっておられます。
微妙な動きなのでなかなか見つけられませんが、自分でやってみて確かにこうだと確信しました。

もちろん、それはそれで難しいですけどね(^_^;)

楽水庵

何故ベンチプレスで利き手側の方が潰れてしまうのか?

こんにちは、楽水庵です。

全ての方には当てはまりません。
ただ、学生時代に野球やテニス等ラケットを使った球技をされていた方は要注意です。

しかし不思議ですね~たいてい利き腕の方が強い筈なのに・・・

というのは、利き手側の肩の靭帯が弛んでいる可能性が高いのです。
その靭帯というのは、肩甲上腕靭帯という上腕二頭筋と大胸筋を繋いでいるもので、これが弛むとフォロースルーで押し切る際に使われる胸の筋肉が機能しません。
早い話がピッチングなら「手投げ」になってしまいます。
プロ野球のピッチャーで肘を傷めて移植手術をされる方がおられますが、肘を傷める前に肩を傷めて要る可能性がかなり高い。
手投げになるから肘を傷めてしまうのです。


以前は恥ずかしながら肩甲上腕靭帯の弛みをロックするだけで良くなると思っていた時期もありました。
しかし、そうではなく肩甲骨から上腕に繋がっている「小円筋」という小さな筋肉が機能低下をする為に靭帯も傷めてしまうと最近は考えています。
この小円筋はテイクバックの動作をする際に使われます。
逆にフォロースルーの際には伸ばされますのでオーバーストレッチになってしまうのでしょう。
勝手な憶測ですが、小円筋が機能低下している中で無理にテイクバックの動作をする事で肩甲上腕靭帯も伸ばしてしまうのでは、と考えます。

ボートの選手達でも、それまでに野球等の球技をしていた人は結構な割合で利き手側の小円筋と肩甲上腕靭帯を傷めています。
いわば「古傷」です。
そして、そのままの状態でベンチプレスをすると利き手側から潰れてしまうのです。

ただし、ラクロスなどは逆に利き手の反対側を傷める事があります。
競技特性で右利きの人が左側に振りかぶる、所謂左でテイクバックの動作をするような動きをする為です。
来られた事はありませんが、ひょっとしたらホッケーの選手も似たような傾向なのかも?

どちらにしても、小円筋と肩甲上腕靭帯を整えなければ、いくらベンチプレスをしても効果的ではありません。
傷めている側はいわば「腕で挙げている」だけでメインのターゲットである大胸筋がほとんど使われていないからです。


楽水庵



「腹筋するのが嫌になりました」競輪選手

こんにちは、楽水庵です。

先日久しぶりにお越しになった競輪選手。
一番の望みはライディングフォームを撮った際に首周りが安定してほしいとの事。

チェックしてみると、頚椎5-6番間に詰りが見られました。
これはそのカウンターパートに当たる胸椎12番-腰椎1番間にジェルフィッシュテープを貼付して解消。

他に何か問題はないかとチェックしてみると、鼠蹊(そけい)部が結構詰まっている。
この場合、S2-3番間が詰まっている事が多く、彼の場合もそうでした。

そして、このS2-3番間が詰まっていると、腹筋のうち腹直筋と外腹斜筋が機能しません。
何故かというと、S3神経の流れが悪くなっているからです。
S3神経は恥骨周辺の皮膚を神経支配しています。
そして、皮膚の神経支配をしているという事はその内部の筋肉等にも影響を与えているのです。
腹直筋に外腹斜筋は恥骨に繋がっており、その為に機能低下を起こします。

よく「・・・筋が弱い」という表現を我々もしてしまいますが、実際の処筋肉自体が弱っているというよりも、皮膚や筋膜の流れが悪くなっている為にその奥にある筋肉が持っているパフォーマンスを出せないだけのケースがほとんどなのです。
ですから、キネシオテーピングで皮膚・筋膜の流れを整えてあげると、筋肉はポテンシャル通りのパフォーマンスを出せるのです。
逆に「ただ貼っただけで筋出力がアップする」のであれば、それはドーピングですから全競技でキネシオテーピングは禁止されている筈です。
キネシオテーピングができるのは、あくまで「ポテンシャルを引き出す」事だけです。
それで整えて、更に鍛えハイパフォーマンスを出す事によってポテンシャルをもっと高める、この繰り返しが「勝利の王道」だと確信します。

競輪選手の話に戻すと、元々野球をしていて腹筋運動なども所謂「回数をやらされる」ものばかりしていて、それも楽をする為に脚の筋肉を使ってやっていたようです。
S2-3間の詰りを取って、腹筋、特に腹直筋が効きやすいようにした状態で腹筋運動をしてもらうと、数回でパンプアップしました。
「もう腹筋をするのが嫌になりました」と笑いながら言っていました。

それでも、こういう地味な調整とトレーニングをしていくと、彼は益々強くなるでしょう。
断っておきますが、「腹筋が効いた」からと言って常に腹直筋に力を入れている訳ではありません。
逆にどちらかというと、腹直筋は運動中にリラックスしている時間の方が圧倒的に多いのです。
瞬間的に力を入れているだけです。
ただ、ちゃんと力が入らないという事はちゃんとリラックスできていない事です。
その為に近くにある腸腰筋なども機能しなくなってきて、パフォーマンス低下や腰痛などを引き起こしてしまうのです。

本当に「効いている」と数回でパンプアップします。
だから、「腹筋運動を何百回できる」とか言っている方は真の意味での腹筋運動をしていない可能性が高い。
もちろん、ちゃんと効いているのをその回数できるのなら凄いですけどね。

競輪などは瞬間的なスピードがないと勝てません。
それが収入面で数百万、場合によっては千万単位の獲得賞金の差になって表れるシビアな世界です。
その為にも「嫌になってしまった」腹筋運動でも、コツコツとやってほしいですね。

楽水庵




「叱られてきたからこそ、若い世代を叱るのが恩返し」

こんにちは、楽水庵です。
いつもとは趣が変わった内容になります。

最近また大学生と接触が多く、結構叱る事が多々あります。
こういう話題を少し前にレース会場で指導者の方々と話している時に、「最近ではもう叱る事を諦めた」とか「いつかは判るだろう」とか「自分達も若い頃はたいがいだったからな~」という意見を聞きました。

しかし、違うと思います。
叱ってもらったからこそ、今の自分達があるのです。
その時は判らなくとも、時間が経てば判る事がほとんどです(もちろん、中には理不尽なものもありますが)。
時間が経たなくては、またもっと体験を摘まなければ理解できないものもあるのです。

それを叱るのを諦めたらどうなるでしょう?
「いつか判る」というのは幻想です。
叱られた事がない人は歳をとっても判りません。
詳細は書きませんが、そういう次第でお引き取りを願った56歳の女性がおられます。
「誰かに叱られた事がなかったのですか?」と尋ねると、「親以外に叱られた事がない」との答え。
「おそらく面倒くさいから皆離れていって、周りには同じような面倒くさい人しか残っていないのだろう」とうちに来られている方々が説明してくださりましたが、おそらくそうでしょう。
ちゃんと叱られた事がない人はこうなる運命になる事が多いのです。

現在付き合いがあるのが国立大の学生が多いのですが、おそらくあまり叱られた事がないと見受けられます。
また、親御さんはだいたい私と同世代になりますが、現状で国立難関大学に入れる子の親御さんも優秀な方が多いようです。
そういった方々はあまり叱られる事無く育った為に、ある意味判らずに親になられたとも言えます。
だからこそ叱られてきた自分達が、代わりに叱ってあげる事が必要だと思います。

叱ると言っても怒鳴る事ではありません。
感情的に叱っても反発を受けるだけでしょう。

冷静に道理を言えばその場で理解してくれる事もあるし、もしその場で判らなくても、我々がそうであったようにある程度年齢がいったら判ってくれると信じています。
ですから、叱る事を諦めてはいけないのです。


楽水庵

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