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楽水庵ブログ 過去のコラム 3ページ目

今の高校スポーツに対する憤り

昨日ある競技で全国的に強い高校の女子(2年生でレギュラー)が
腰が痛いという事で母親が連れて来られました。
他府県から来ている、所謂越境組の子です。
 
しかし、ビックリするぐらい体はボロボロ。
まず、肩甲骨の動きが非常に悪く、肩を動かすと亜脱臼寸前。
この状態でどうやってテイクバックできる?
というより、体幹全体の皮膚・筋膜の動きが悪いので、
横隔膜が下がらず下半身の筋機能が大幅に落ちていました。
これではまともに跳ぶ事もできません。
左膝は前十字靭帯を傷めているが、半月板もかなりボロボロ。
膝の屈伸をすると「ボキボキ」とけたたましい、
聞いていて気の毒なほどの大きな音を出していました。
 
その競技に一生懸命打ち込んでいるのは判るが、もう少し自分の体を大事にしなければいけないと、
施術中に説教して少し泣かせてしまいました。
本当にこんなのはおかしすぎると感じます。
いくら有力校でももっと選手を大事にしてくれないでしょうか?
 
これは大家さん(最近まで京都市の教員だった)やいろんな人の話を総合すると、
敢えて明言します、早稲田とかの「指定校推薦」が元凶だと感じます。
スポーツだけで早稲田とかに入りたい子供、やらせたい親、
そして選手を使い捨てにしてまで戦績に拘って指定校枠を取り、それを盾に強権を振るう指導者。
こんなのが健全な高校スポーツと言えるのでしょうか?教育と言えるのでしょうか?
仲間なんかいない、一人でもチームメイトが脱落すれば
それが自分のチャンスになる修羅の道ではないでしょうか?
 
冒頭の子に話は戻して、できるだけの事はしたつもりだが、継続して治療しなければまた体を壊すのは確実。
ところが、練習や遠征で通う時間がない。かなり不安を感じています
。どうかこれ以上壊れないよう願うばかりです。
パフォーマンスを上げ勝利する事も勿論大事ですが、高校生や大学生で一番大事なのは、
怪我なく部活を終え学校を送り出してやる事ではないのでしょうか?
 
ボートでも残念ながら競技に致命的な故障をして、艇を降りスタッフでやっている学生が少なからずいます。
こういう学生を一人でも減らしてあげたい。他の理由で艇を降りたのならともかく、
腰を傷めて漕げないから等の理由で降りるのは本当に気の毒です。
 
とにかく、健全な高校スポーツを目指すのなら、今のような指定校推薦制度は廃止すべきです。
最後に早稲田関係の方、引き合いに出して申し訳ありませんでした。ただ、この風潮には本当に憤りを感じています。

『オーバーワーク?』

今当院に通っている、運動部に入っている生徒の話です。
 
現在その子の部は故障者が続出しているそうです。
そして、故障した子が整形外科とかに行って「オーバーワークが原因」と言われ、
それを顧問に言うと「オーバーワーク?」と怪訝な顔をされると言います。
顧問曰く、「もっと強い中学の練習に比べればそんなに練習してないのに何故?」という感じなのでしょう。
 
いつもは整形の悪口(?)を結構書いている私(笑)ですが、これに関しては擁護します。
『その子の現状ではオーバーワークなんです!!』
他のチームの選手の練習がどうであれ、自分が指導している選手の状態を
把握できていないから起こる悲劇。ちゃんと選手のコンディションを見て指導しなければいけない。
 
この場合のコンディションとは単に体調だけではありません。
足趾の形、重心等全てを含んだものです。それが見えてないから故障させてしまうのです。
 
決して故障した子が決定的に弱い訳ではありません。何かが足りないだけなのです。
それを見抜いて是正しながらトレーニングを積ませる事によって、初めてその子は故障せずに強くなっていくのです。

『強揉みはやめましょう!!』

最近どこに行っても頭痛や首の違和感が取れないと、当院を訪ねて下さる方が増えています。
非常にありがたい事ですが、その分結構手強い方も多いのは事実です。
日々勉強の連続です。
 
そして、そういう方達に共通しているのは、マッサージとかに行かれると「強揉み」をしてもらう点。
最近は必ず確認しています。
 
「強揉み」は痛み止めの薬とおなじようなものです。その場しのぎにしかならないのです。
そして怖いのは、次にもっと強い刺激がないと満足できなくなる点です。
今回は薬は置いといて、「強揉み」の弊害について述べましょう。
何故いけないのか?一言で言えば、皮膚・筋膜の動きが悪くなります。
その部分の皮膚の感覚が鈍くなり、脳のセンサーが機能しなくなります。
だから優しい刺激では何も感じなくなるので、強い刺激を求める・・・
そして、また・・・という悪循環を繰り返し、最後には原因不明の神経痛を起こす、
というパターンが非常に多く見られます。
 
この悪循環を断つにはどうすれば良いか?
本人には物足りないかも知れませんが、その方のその箇所の皮膚・筋膜の動きに
最適な優しい刺激で根気良く施術を繰り返す事しかないような気がします。
こうなると、本当に体の問題だけではなく「心の問題」でもあると思います。

『3点セット』

最近、どの競技でも『大腰筋・梨状筋・ひらめ筋』の3点セットは
非常に重要ではないかと思っています。
 
スポーツ障害の原因になる事も多いが、逆にこの3点セットの重要性に目覚め、
しっかりエクササイズで強化できた選手は、
故障しにくくなりパフォーマンスも向上する可能性が非常に高くなるでしょう。
 
そして、この3点セットは全て所謂、『インナーマッスル』である事も着目される点です。
表層筋の不具合が深層筋の障害を起こすのか、それとも逆なのか、どちらもあるのか、
その点はよく判りませんが、インナーマッスルの動きが良くなれば表層筋の動きが良くなるのは間違いありません。
何といっても瞬発力を生み出すのは表層筋ですから。
 
そして、インナーマッスルのトレーニングは重い負荷は必要ない、自重で十分です。
負荷や回数に拘るよりも、しっかりイメージできてできるかどうかが大事です。
 
そして、これはまた表層筋のトレーニングにも当てはまります。
ベンチプレスやスクワットで仲間より数kg重いのを挙げられたところで、
実際競技のパフォーマンスがその通りになっているか?
そこを間違えると競技の為のトレーニングは全く意味がなくなってきます。
仲間との自慢し合いや自己満足の為のトレーニングになっていないか?
トレーニングはあくまで『自分の体との対話』でなければならないと感じます。

野口選手のコメント

「自分の体の声が聞こえるようになった」
野口みずき選手が先日テレビのインタビューでこうコメントされていました。
今までの故障癖があり、もう駄目かと思われたが見事復活しましたね。
上のコメントは、とても重い言葉です。
 
脳が体全体の調子を感じる事。感じるとより強くなる。
逆に痛みを我慢していると脳が不感症になってしまうので、
強くはなれませんし、余計に怪我をあっかさせてしまいます。
 
大事なのは痛みとしっかり向き合い、どうすれば良いか最善策をとる事です。
例えば、ボートのような団体スポーツでも一人のパフォーマンスダウンは皆の問題。
「自分一人が我慢すれば良い」みたいな考えは逆に皆に迷惑を掛けます。
まず、しっかり治すのが最善策。サッカーとかでも一時治療の為にピッチを出る事があるでしょう?
数日乗艇できないのを恐れてはいけない。
先延ばしにすればするほど問題は大きくなります。
 
野口選手も北京オリンピックの頃から辛い日々を過ごされましたが、
あのコメントを聞いた限りでは更に活躍される気がしました。

内臓も筋肉?

最近急に暑くなったせいか、体のダルさを訴えられる方が増えています。
そして、その方々を調べてみるとほとんどが内臓、特に胃や肝臓の機能が低下しています。

よく肝臓は『沈黙の臓器』と言われていますが、そうでもありません。
内臓も筋肉で構成され筋膜で覆われています。そして皮膚の動きに左右されています。
肝臓マニュピュレーションという手技でいろいろ動かすと、肝臓が弱っている方は必ず痛い動きがあります。
それを解消していくと、驚くほど気分もスッキリします。胃も同様です。

もちろん、肝炎や胃のピロリ菌がこれでなくなる事はないと思いますが、
なんでも直ぐに薬に頼ったりせずに、他の筋肉同様に調整すれば改善する事もあると知っていただければ幸いです。

青少年期の女子に対する配慮

中学生や高校生、そして大学生とかのスポーツ障害治療をしていて感じるのは、
女子の方が男子に比べ椎間板ヘルニア等になりやすい、という事です。
それも、正しく受傷するようなアクシデントがないにもかかわらず、というケースも多々あります。
筋力が弱いと言う事も一因でしょうが、果たしてそれだけでしょうか?
 
私が男なのであまり実感がないので申し訳ないのですが、
どうも女子はホルモンバランスが崩れている時にちょっとした事で受傷しやすい感じがします。
ホルモンバランスが崩れている時は靭帯などの軟骨系にかなりの影響を与えているとも言われています。
特に月経時等の運動は慎重にすべきで、症状が重い場合は思い切って休んだりした方が良いと思います。
それは軟弱なんかでは決してなく、より良いコンディションでトレーニングを積み、
より高いステージに上がる為の手段だと感じます。
 
特に指導者の方はこの点に留意して指導していただければありがたいです。

本当に必要な手術?

昨年12月に友人が膝を傷めている教え子を連れてきました。
中学時代バレーボールをしていて内視鏡手術をしたそうです。 膝周りだけではなく、股関節や下腿部を含めて調整したら痛みがほとんど消えたので、
このまま保存療法でやっていけば大丈夫だろうと思っていました。

久しぶりにその友人と会って話を聞くと、その子の主治医が結構整形の有名なドクターらしくて、
どうも強硬に手術を勧めたそうです。
友人も反対したらしいが、結局オペをして今リハビリ中だそうです。
今回が3回目で、前2回は結局失敗だったとの事。

本当に必要な手術だったのか?確かに膝だけみれば手術した方が良いのだろうが、
その子の場合股関節のバランスとかが悪かったので膝に負担が掛かっていたのも事実。
そのバランスを良くしなければ膝にまた負担が掛かってしまう。
いたちごっごのような気がしないではない。その友人ともしばらく連絡が途絶えていたが、
そういう経緯があったので、私に話しづらかったようです。

「木を見て森を見ず」治療家として一番やってはいけない事です。
その子の順調な回復を祈っていますが、
本来なら必要のないリハビリだったのではないかと、また人の体を弄ぶなと憤りを感じています。

顎関節治療と声の関係

前に顎関節治療を受けた方の滑舌が良くなってきていると書きましたが、
更に声の通りが良くなってきている、声の響きが良くなってきているのも認められました。
 
声というのは体のいろんなところ、特に口腔内で反響し、様々な倍音を伴って発生されます。
頭蓋骨の形、口腔内の形に左右されるので、親子で声が似ているというのも納得できます。
 
顎関節症の方は頬骨の下の筋肉の状態が悪く、緊張状態である事がよくあります。
人前で上がってしまった時の声というのは良く通りません。
頭蓋骨や口腔内の筋肉が緊張状態で動きが悪くなっているからです。
よい反響が得られないので、倍音が少ないからです。
 
つまり、顎関節症の方は普段からこの状態であることが多く、
逆に治療を受け額関節周辺の筋肉の状態が良くなると豊かな倍音が得られるのでは、と推測しています。

骨盤の歪みの一因

私自身は骨盤は交通事故とかの外傷がなければ歪むものではないと思っています。
それでも、何らかの原因で歪んでいるように見えるのは、大抵が筋肉のバランスが悪い事から起こっているものなのです。
 
特に前後のバランスが問題です。
 
ある一例を挙げると、前にある大腰筋という股関節を屈曲させる筋肉が過緊張を起こしたもの、
こうなると過緊張を起こしている側の骨盤が前にせり出します。
そしてそういう場合、後ろの梨状筋(りじょうきん)というお尻の筋肉が
前の大腰筋とバランスを取り合って骨盤を安定させているのですが、
大腰筋が過緊張を起こしていると梨状筋は逆に緩みきってしまいます。
 
こうなると、どんどんバランスの悪い側の(時には両方とも)骨盤はせり出していきます。
また、梨状筋の緩みきっている場合は隣の中臀筋も緩みきっている事がかなりあります。
そうすると、体はどんどん反対側に傾いていきます。
こうなると、想像して頂くとお判りのように体が歪んでいった状態になります。
 
これを改善していくにはどうすれば良いか?
過緊張を起こしている筋肉に抑制を掛け、緩みきっている筋肉の機能を促進すれば良いのです。
そうすれば体の歪みはかなり解消されます。
これが俗に言う「骨盤矯正」なのかどうかはハッキリ言って私には判りません。
最近流行の「体幹トレーニング」もそうですが、言葉だけ独り歩きしているような気がするのです。

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