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楽水庵ブログ 京都のスポーツ整体院 楽水庵のコンディショニングブログ: 2014年12月

「途中で引っ掛かって痛い」 肩のスポーツ障害、元凶は・・・

現在、中高年の男性がお二人肩のスポーツ障害で通っておられる。

お一人はシャドーボクシング、もうお一人は水泳のターンの際に肩を傷められた。

そして、お二人ともに痛みが楽になってきておられるのだが、肩を動かす際に途中で引っ掛かり痛みが出て、そこを過ぎるとスッと最後まで動く。

靭帯を含め様々なアプローチを試してみる。
そうすると、お二人とも腕を横から後ろに回すのは問題ないのだが、肩関節を180度以上屈曲、つまり腕を前から後ろに挙げていくと非常に辛い状況になる。

何故に?と悩んでいたが、やっと光明が見えてきた。
それは、烏口腕筋という上腕部にあるインナーマッスルで、上腕を拳上させる機能を持つ。

どうも腕を前から上に挙げていくと、烏口腕筋が機能していないので他の箇所に負担が掛かって痛みが出るようだ。
今日もお一人に烏口腕筋テープを貼ると「安定感がある」と言われていて、その後かなり痛みが減った。

もうお一人は年明けに来られるが、必ず烏口腕筋のチェックをしてみるつもり。

まだまだ勉強しなければいけません。

複雑なトレーニングはアスリートに有効か?

いろんなトレーニング方法がネットやその他のメディアに紹介されています。
まあ、いろんな理論に基づいたものなのかも知れませんが、それに付き合わされる選手はたまったものではないでしょう。

アスリートにとって一番大事なのは、競技のスキルを上げる事で脳のイメージもそこに一番咲かれるべきです。
よって、それ以外のトレーニングはシンプルにイメージできるものが最適でしょう。
何でもかんでも「これは良い、これをしろ」みたいなトレーニングの押し売りはどうなんでしょう?

結局、単なるノルマが増えるだけで、「とりあえずやっておけば良い」みたいなトレーニングに陥りがちです。
回数だけこなせればよい、重量だけ増えていけば良い、みたいな風潮になってしまいます。

スポーツトレーナーの方々にも、何でもかんでも詰め込みさせないようお願いしたいものです。

人間の能力には限度があります。
大事なのは、如何にシンプルなイメージでトレーニングを捉えられるかどうかです。

やたら複雑な理論を振りかざす人や団体には注意した方が良いと思います。

「優秀なアスリートは自分の動きを全て把握している」みたいな事を書いている人もいます。
調子の良い時にはそうでしょう。
自分も経験がありますが、本当に調子の良い時には些細な調整の違いなんかが判りました。

しかし、一流のアスリートでさえ自分を見失いスランプになる事もあります。
スランプがあっても直ぐに立ち直る人が「超一流」なのでしょう。

世の中に完璧な理論、未来永劫な理論などありません。
あれば、それは「理論」ではなく「宗教」です。
優れたものがあっても、それを更に進化させていかなければその理論は退化してしまいます。

そして、ほとんどのスポーツ理論というのはキツイ言い方ですが、「地震予知」のように後付けな事がほとんどなのです。
ある特定の人や特定のグループだけに通用するものが結構あります。

理論よりも、目の前の選手を素直に診てあげる事が一番重要なのではないでしょうか?
自己保身を図る為に選手達の負担を増やすのは言語道断です。

片側ばかりに不具合が・・・肩の高さ?実は大腰筋で改善

これは自分自身にも当て嵌まるケースです。

自分の場合、最近はマシになりましたが、かっては左の広背筋や中臀筋・腰方形筋、等体幹の筋肉の筋機能が低下する事が多くありました。

そして、その原因はというと、気が付かない内に右肩が下がる癖でした。
写真とかを見ると、かなり下がっている事が多かった。

だから、肩甲挙筋で常に右肩を上げるようにしていましたが、注意していないとやはり右肩が下がっていました。

右肩が下がると、左側の体幹が引っ張られます。
これが左側の体幹の筋機能低下を起こします。

では、何故右肩が下がるか?
これは自分だけではなく、結構思い当たる方も多い筈です。

様々な事が考えられますが、一つ大きな理由として「肝臓」の存在があります。

人間の身体は表面上は左右対称ですが、内臓とかはそうではありません。
肝臓はかなり大きな臓器で、右側にあります。
そして、肝臓はかなり重いので右肩が引きずられてしまう、という説です。

一つの仮説ですが、自分はこの説に同意します。

というのは、自分も含めて大腰筋の機能低下を起こしているのは圧倒的に右が多い。
これは肝臓の重さに耐えかねて、右大腰筋が拘縮しているからと思われます。

ですから、肝臓の存在が「右肩下がり」と「右大腰筋の機能低下」を招いているかも知れません。
もちろん、全ての人が該当する訳ではありませんが、結構こういう方は多い。

こういう時は、右大腰筋をキネシオテープ等で機能回復させるとかなり問題が解消します。
左側が痛いからといって左側ばかりにテーピングしたところで、それは対処療法にしか過ぎないのです。
私も右大腰筋にテーピングし続けていると調子が良い。

もちろん、バックを左肩ばかりで担ぐような人には当てはまる話ではないかも知れませんが・・・



踵の痛み、シンスプリントが原因だったか?

踵の痛みで通院されている50代の女性。

毎回楽になって帰っていただいているのだが、それが数日、早ければ1日ぐらいしか状態が保たず誠に申し訳なく思っている。

足底筋膜炎も多少あるがそれも決定的な原意ではなく、母趾外転筋の機能低下も同様。

では何かと探ってみたら、どうやらシンスプリントの模様。
ジャザサイズをされていた時のスポーツ障害だったか・・・

聞いてみると、脛骨内縁はよく重怠くなるとの事だった。

とりあえずシンスプリント対応のテーピングをしてみたが、次回からはそちらから攻めていった方が得策のような気がした。

もちろん複合的な原因であるので、他の要因もしっかり対策を取っていきたい。

過去の競技の古傷が・・・

先日某大学のボート部女子部員2人にテーピングした際に感じた事。

2人とも高校時代は別の競技を行っていた。
弓道を行っていた人は、利き腕の右肩関節の靭帯が弛んでいた。
投擲種目の選手の傷め方に近い。

その為に右肩の動きが安定せずどこかで無理を重ねてしまい、胸部に強い痛みが出てしまった。

もう一人は高校時代バスケットをしていて、シンスプリントを起こしていた。
現在はボートなので、バスケットのようなストップ&ゴーの連続みたいな動きをしないので激しい痛みは出ていないが、調べてみると足底筋の機能低下が見られた。
足底筋にテーピングすると非常に楽になった模様。

このように競技歴のある人は、何かしらその競技特有の故障歴を持っている。
だから、大学の新入部員とかにはキッチリとチェックしてあげる事ができれば、その後の故障を回避する事ができて、順調にトレーニングを重ねる事ができる筈。
また、そうなれば理想的であると信じる。





反ると腰が痛い時は・・・

状態を反らした時に腰が痛い方の多くが中臀筋に問題がある事が多いようです。

チェック方法としては、腹臥位(ベッドで俯せ)で反らした時はあまり痛みが出ませんが、立位で反らすと痛みが出ます。

これは、中臀筋は股関節の中でも体を支えている筋肉でもあるからです。
ですから、俯せでは身体を支える必要がないから負担が減っているので、反らしても痛みが出ないのです。

中臀筋はインナーマッスルです。
アウターマッスルである大臀筋に比べ、どの動作をしても中臀筋は働いています。

センタータンクのオートバイや馬に乗る時に内腿で挟みますが、あれもコツがあると思われます。
内転筋はアウターマッスルなのでズッと締め続けていると直ぐに疲れてしまいます。

ところがインナーマッスルの中臀筋で内腿を締めるようにすると、長い間その動作を続けてもそれほど疲れません。
そして、締める力がもっと欲しい時だけ内転筋も使うと効果的です。

中臀筋は大腰筋・腸骨筋・梨状筋らと同様に、股関節で重要なインナーマッスルです。
また、前述のように腰痛の原因になりやすい筋肉です。

普段から中臀筋を鍛えておく必要があります。
気軽にできるエクササイズは、スピードスケートのような横への動き、サイドステップをすると良いでしょう。
結構これは効きます。
また横跳びして片足立ちになった際にグッとシングルスクワット状態まで持っていくと、更に効果が上がります。

私も最近やっています。
やっていると腰の調子が良くなりました。
是非一度試してみて下さい。

ハードトレーニングをする前に

最近ご縁があり、某国立大ボート部の部員がスポーツ障害で通ってくれるようになりました。

少し遠方なので毎回通ってもらうのも大変だし、キネシオテーピングにしろ自身で貼れないものもあるので、近日中に向こうの合宿所を訪ねてマネージャー達にチェックの仕方や貼り方をアドバイスする予定です。

その学生達を施術していて感じる事は、その競技のトレーニングでコーチ達に注意される事をやろうとして無理をし故障しているケースが多々ある、という点です。

股関節・肩関節等の動きを大きく使えるように注意を受ける事が多いようですが、それ以前に果たしてその動きが選手達に可能かどうかを見分ける必要があります。

そして、その対策を施しつつ競技の為のトレーニングを続けていく事によって、パフォーマンスが上がっていきます。
逆にその対策を怠ると、スポーツ障害の発生が増加します。

常々思う事ですが、新入部員が入ってきた時に徹底的にそれらの点をチェックし、また定期的にチェックし続ける事が可能ならば(不慮のアクシデントは除く)スポーツ障害を発症する選手の数は圧倒的に減少してきます。

とかく、新入部員の体力等をアップさせる為にチェックなしにいきなりハードトレーニングさせたりしますが、それでは逆効果です。
まずは、新入部員達の体内環境を整える必要があります。

決して自分はハードトレーニング否定論者ではありません。
また精神的高揚も認めます。
それでも体内環境が良くなければ、いくら気持ちを前向きにしようとしても心と身体のアンバランスが生じ、引いては精神的にダメージを負う危険も出てきます。

少しでもこういう必要性を実感して下さる指導者の皆さんが増えてくれるのを願っています。

どこまでが対処療法で、どこからが根本治癒?

最近、足関節靭帯のアプローチを頻繁に行うようになってタイトルのような疑問を持つようになった。

ただ、これは永遠のテーマなのかも知れない。

足関節に関して言えば、靭帯の弛みがある為に足元が定まらない→下腿部の筋機能が正常に働かない→ひらめ筋の場合は腰にも影響、
また、足元が定まらない→膝関節の靭帯に影響→結果股関節にも影響→大腰筋に機能低下が出れば肩関節にも、等さまざまなケースが考えられる。

逆にスマホ等のやり過ぎで頚部の機能低下なら→胸部・肩甲骨周辺に影響→広背筋なら腰にまで痛みが出たりする、事も考えられる。

そうやって、根本原因を探っていく事は非常に重要になっていくのだが、あまりにも状態の悪い方の場合は最初対処療法でと割り切らなければいけない事も多々出てくる。

幾層にも渡った悪要因を一枚一枚と剥ぎ取っていかなければ本当の原因が掴めない方もおられる。

もちろん、こちらの技術・知識・観察力が更に上がれば、そういった方でも初回から根本原因を見つけて対処できるかと思われるが、その時の症状(例えばギックリ腰のような急性のケース)等は、とりあえず急性期は対処療法にプラスアルファ程度の事をしておいて、次回以降に根本治癒に取り掛かるのが良いのかも。
初回に根本原因を見極めておけたらベストな施術ができるのは言うまでもない。

道はまだまだ険しい(^_^;)

ミレーの「落ち葉拾い」

画家のミレーの有名な作品に「落ち葉拾い」があります。
3人の婦人が農地で落ち葉を拾っている光景を描いたものです。

皆さんはこの絵を見た時に何となく違和感を感じませんか?
これは日本人が見た時には違和感があって、逆に西洋の人が見ても違和感を感じないかも知れません。

私も昔から少し「何だろう:?」と思っていたのですが、この仕事をしてから段々と判りました。
それはズバリ、「腰の屈め方」です!

あの絵に描かれている女性達はあまり膝を落とさずに足元の落ち葉を拾っていますね。
我々だとああいった形で拾いますか?
ほとんどの方が膝を落とし、しゃがみながら拾いますね。


これが西洋と東洋、ではなく狩猟民族と農耕民族の違いなのではないでしょうか?

今回は股関節周りだけの話にします。

つまり、大腰筋や腸骨筋、梨状筋などの股関節を構成しているインナーマッスルが狩猟民族の場合はインナーというよりもアウター的な使い方をしていると思われるのです。
彼らの祖先は獲物を獲らなければ餓死してしまう運命にあったのです。

という事は、ほんの至近距離で獲物に追いつくスピードが求められたのでしょう。
その為に股関節のインナーマッスルにアウター的な機能を淘汰の過程で変化させていったのだと勝手に解釈しています。

逆にアウターですから、持久的な動きには弱い。
だから、今でもそうですが西洋人の方々は「中腰」の姿勢を保つ事が結構難しいのです。


さて、我々日本人に代表される農耕民族の末裔。
西洋人とは反対に「田植え」に代表される中腰の姿勢、これを長時間する事が得意です(最近では様変わりしてますが・・・)
また、歌舞伎のような伝統芸能でも中腰の姿勢が非常に多い。
だから、歌舞伎役者の方は高齢でも足腰のしっかりしておられるし艶福家でもあられます(まあ、余計なお世話ですね)。

また面白い事にコサックダンスやアイリッシュダンスなどスクワットスタイルで踊るものがありますが、あれは日頃の自分達の弱点を補う為に開発された、いわば「ラジオ体操」的なものかも知れません。

ですから、そういう身体を構成しているものの機能が異なるのに、向こうのやっているトレーニングを盲信してしまうのは如何なものか、と最近思うようになってきています。
大腰筋や梨状筋の筋肥大を我々は追い求めるべきではないと感じます。
特に、梨状筋の筋肥大を図ると、待っているのは「坐骨神経痛」です。

やはり民族特性に基づいたトレーニング方法を確立していく必要があるのでしょう。

ただ、最近の日本人も見た目だけ西洋風になってしまっているので、元からあった「中腰が得意」というのも薄れてきているのも事実です。
結局何とかしないと、どっちつかずで何も取り柄のない、だから世界とスポーツの世界で戦う事のできなくなるかも知れません。




肩甲骨内側をほぐすには・・・

肩甲骨の内半分が張っているという事は、下僧帽筋の問題に思われがち。

だが、下僧帽筋よりもっと奥、肩甲骨の奥にある肩甲下筋の状態が良くない事が多い。

この場合下僧帽筋だけほぐそうとしても効果はあまりない。

肩甲下筋を先ずほぐす必要が出て来る。


ただ、肩甲下筋をほぐすのは結構難しい。
肩甲下筋をほぐすには肋骨と肩甲骨の間からアプローチする必要があるからです。

加えて、肩甲下筋の近くには腋下リンパ節があり、ここの詰まっている人は必ずと言っていいほど肩甲下筋が張っている。

そして腋下リンパをそのまま無理にほぐそうとしても無理がある。
ここが張っていると触られるとかなり痛いのです。

ですから、自分は足の反射区を利用して腋下リンパ節を弛め、その後肩甲下筋をほぐし最期に下僧帽筋に掛かっている。

今のところ、この手順がベストだと思っている。


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