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楽水庵ブログ
転倒してブロックで手を突いて指が曲がらなくなった
部活を引退した高校3年の男子。
下校時に自転車で転倒し、ちょうどヘッドスライディングのような体勢で前へ滑っていたそうです。
その上どうやら左手をブロックで突いたらしく、痛みも勿論ですが特に人差し指と中指が曲がらなくなった走です。
あまりにも痛いので病院でレントゲンを撮っても「異常なし」。
それが2週間ほど続いたので、現役の時に通っていたうちを頼ってくれました。
おそらくMRIを撮ったら靭帯損傷が判った可能性があります。
人差し指に中指は3つある関節の靭帯が全て弛んでいました。
どの関節でもそうですが、靭帯に弛みが出るとその関節を動かす筋肉が正常に働きません。
工事現場のクレーンを連想してください。
いくらクレーンの性能が高くてもワイヤーに弛みが出てしまうと物は吊り上げられませんね。
靭帯が弛んでいる状態はまさにそういう状態なのです。
アプローチとしては、キネシオテープの「縦には伸びるが横には伸びない」特性を生かして靭帯の弛みをロックさせました。
これで指は曲がるようになりましたが、人差し指は腫れもあり痛みが残ります。
そこで、今度はスリットテープで腫れている組織に隙間を作ります。
指の背側だけ貼ってみたのですが、腹側も先端から第1関節までの腫れが強かったので同様にスリットを。
指がスッと曲がりやすくなって非常に喜んでくれました。
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2018年10月25日 12:04
同じカテゴリの記事
人差し指と中指をチェックして調整すると「肩が入りやすくなった」
少し前に烏口肩峰靭帯について書きました(リンク)。
特にボート選手においては、この靭帯がゆるいと広背筋の出力が出ないので「キャッチでぶら下がる」事ができません。
ベテランでもこういう状態になっていると、何となく「引きが弱い」のを感じて無理に腕で引こうとします。
初心者なら尚更、コーチらに「キャッチでぶら下がれ」と言われてもイメージ自体掴みにくいものです。
そして、その原因を例のブログを書いた時点では過去のスポーツ歴等に求めていました。
野球・バレーボール等。
ところがやっている途中で辻褄の合わない事が結構出てきました。
加えて、長橈側手根伸筋を調整すると肩の痛みが軽減した女性とかもおられました。
確かに腱板断裂で肩を本当に損傷している選手もいるのは間違いありません。
そういう選手は烏口肩峰靭帯だけではなく、烏口鎖骨靭帯や下肩甲横靭帯も同時に傷めている事が多いのです。
しかし、大方の選手はそこまでではなく単に烏口肩峰靭帯が少し緩んでいる程度と思われます。
それも本人が気付かない程度に。
そう考えて最近は上肢のチェックでそこを重点的にチェックします。
少しでも怪しいなと思ったら、広背筋と大胸筋のテストをします。
烏口肩峰靭帯の弛みがあると、肩が不安定なのでこの2つの筋肉テストで陽性が出ます。
触診してみると烏口肩峰靭帯は肩峰(肩の骨の付け根)の傍にあります。
先ほどのテストが陽性で、かつその辺りを触って違和感があるなら、靭帯が弛んでいる可能性が高いです。
と、ここまでは以前のブログに書いた通りですが、今はここから新たなアプローチをします。
何故なら、長橈側手根伸筋と烏口肩峰靭帯がリンクしているのに気付いたからです。
浅筋膜での繋がりが密接なのでしょう。
それからというもの肩を動かしたりして少しでも怪しいなと思ったら長橈側手根伸筋のテストをしてみます。
それで陽性ならテーピングします。
ただ、やはり手の甲に貼ったテープは剥がれやすいので、自身で貼り直すかストレングストレーニングをするかをアドバイスします。
要は、人差し指と中指2本を反らしてみて、力がが入りやすかったら大丈夫です。
あくまで想像ですが、この症状は一種の「現代病」なのかも。
というのは、パソコンのマウスや携帯・スマホを多用する現代人は基本的に親指・人差し指・中指しか使っていませんから。
特に人差し指・中指で「握る」動作が多い為に長橈側手根伸筋がオーバーストレッチしているのでしょう。
ボート選手とこの症状の関連です。
もちろん普段の生活でのクセもありますし、本当に野球とかで腱板を損傷している場合もあります。
その場合は別のアプローチもしなければいけませんが、大抵の選手は長橈側手根伸筋だけで機能が回復します。
先日全日本選手権で戸田に行った際にある女子大の選手にこれを貼ったところ、翌朝の練習で「ぶら下がる感覚が判った」とコーチに伝えていました。
また、いつも教えている大学生が挨拶に来てくれた際に教えたところ、2日後に会ったらこのテーピングが好評で「キャッチで肩が入る」と喜ばれていたそうです。
ちょっとした調整で大きく漕ぎが変わる、こういうところにこの仕事をやっている醍醐味があります。
2018年11月 5日 07:32
膝上の、椅子から立ち上がる際の『チクッ』とした痛みには
先ほど私にあった左膝の痛みです。
歩いている時とかは大丈夫なのですが、椅子から立ち上がったりした際に「チクッ』とした痛みがありました。
本当に立ち上がる時だけです。
私は右C3神経が詰まるタイプで、どうしても左大腿直筋の機能が低下しやすいのですが、この痛みの原因はどうもそうではなさそう。
そこで、下の画像にある左大腿部の「外側大腿筋間中隔(がいそくだいたいきんかんちゅうかく」という、簡単に言うと筋肉と筋肉の隙間を触ってみるとかなり固くなっていたので、スリットテープを貼ってみました。
この隙間が固くなって隙間が狭くなっていて、特に座っている時は大腿直筋が伸ばされていて立ち上がる際収縮しようとするのを邪魔して痛みが出たのでしょう。
テーピングしてから立ち上がる際の痛みは出ません。
上腕部でも「外側上腕筋間中隔」という上腕二頭筋と三頭筋の隙間によくアプローチしますが、大腿部でもそれと同じ事があります。
全身は浅筋膜で、いわば「全身網タイツ」状に覆われています。
この全身網タイツのどこか動きの悪い箇所が出ると他の処にも影響が出ます。
それを解消していくと、主訴の部分の痛みが解決する事も多いのです。
2018年10月11日 18:02
大学ボート部に講習していて感じた事その2、特に女子選手の足首
前回は肩について書きました。
今回は案外、というかほとんど見落とされている足首についてです。
男子の場合過去に明らかに捻挫した経験がある場合に足関節靭帯の弛みが認められます。
しかし、女子の場合はそういう覚えもないのに足首がグラグラ、という選手が結構います。
そういう選手は直立してもらっても、足関節が弛んでいる方に体重を掛けにくいのが無意識に判っていて、必然的に反対側の足に体重のほとんどを掛けています。
何故こういう症状があるかというと、「やはり普段の立ち方」が一番の原因でしょう。
女性は立っている時に足をクロスさせたりする事が結構あります。
またそのクロスして前に出した足を思いっ切り外反させて立ったりしますね。
ちょうど下の画像のように。
この画像の子はまだ年少ですが、女性はこの年頃からこういう癖を持っている事があり、それを長年続けていると知らず知らずのうちに前距腓靭帯(ぜんきょひじんたい。足首の一番重要な靭帯)等が弛んでしまうのです。
その状態でハードなスポーツをするとバランスが崩れるのは自明の理です。
肩幅ぐらいのスタンスで直立してみて左右の体重の乗りがかなり違うと感じられたら、一度内踝(くるぶし)と外踝の中央を結ぶ水平線を触ってみてください。
体重が乗れていない側の方が、乗れている側よりも触って何か違和感がある可能性が高いです。
その場合ほとんどのケースで前距腓靭帯等が弛んでいます。
できるだけ普段からそういう癖を自重して、テーピングで靭帯の弛みをロックさせておくと徐々に良くなっていきます。
キネシオテープを適切に貼ると、靭帯の弛みだけロックして周辺の筋肉の動きを最大限使えるようにします。
結果的に周辺の血流が増え、それが靭帯組織の速やかな修復を促す期待が持てます。
2018年10月 8日 09:49
ビーチバレーボール選手のふくらはぎ痛の原因は一つに・・・
9月の10日・11日と福井県小浜市で国体ビーチバレーボールのサポートに行ってきたのは前に書きました(リンク)。
その時に結構ふくらはぎの痛みを訴える選手が数名救護所に来られましたが、その原因は「リスフラン靭帯」でした。
平たく言うと足の指(足趾)の骨を繋いでいる靭帯です。
リスフラン靭帯は足の甲にあります。
なのに何故ふくらはぎに痛みが出るのでしょう?
それは、リスフラン靭帯に弛みがでてしまうと「足底筋」と「後脛骨筋」というふくらはぎのインナーマッスルの機能が低下してしまうからです。
その為ふくらはぎの動きが悪くなり、結果痛みを感じてしまうのです。
また、リスフラン靭帯を損傷すると足関節の「背屈障害」、つまり足首が反れない状態になります。
リスフランをやっているかどうか判断する基準として私は「足首が反れるかどうか」を重要視します。
背屈障害が無ければ、また別の原因を探る事もあります。
もちろんボート選手とかでもリスフランを傷めている選手も多いですが、ビーチバレーの選手がリスフランを傷める原因の一つとして彼ら・彼女らの履物があると考えられます。
文字通り「ビーチ」でやるスポーツなので流石にクロックスを履いている選手は見かけませんでした。
クロックスを履いて「後ろ荷重」でビーチは歩けませんからね。
もちろん普通のシューズだとシューズ内に砂が入ってしまいます。
必然的に町で最近見掛けなくなった「ビーチサンダル」をほとんどの選手が履いていました。
それはそれで良いのですが、ただあの鼻緒に当たる部分がちょうどリスフランに被ってしまうのです。
靭帯というのも皮膚のちょっとした刺激で状態が悪化する事も多いのです。
ボート選手のリスフラン靭帯損傷のほとんどが艇のストレッチャーに装着しているシューズとの「相性」だと私は見ています。
あくまで想像ですが、どうもそれが正解の気がします。
蛇足ですが、リスフランに対するテーピング等のアプローチで「足底筋」の機能は回復しますが「後脛骨筋」は回復しません。
よって「後脛骨筋」に対しては更にテーピング等をする必要があります。
画像だと親指(母趾)と人差し指(2趾)の延長の中間に貼っている、向かっていちばん右のテープがリスフラン用です。
*あくまで個人の感想です
2018年10月 6日 22:47
ギックリ腰で大遠征に、戸田~水戸~会津 その解決策
一昨日の昼に会津から戻ってきました。
今回は先ず21日に戸田で施術及び東工大・法政大ボート部のメンバーと勉強会<第1回>、
22日に水戸へ移動し、茨城大ボート部で講習会、
そしてそのまま猪苗代のホテルに移動し、23日に福島県会津(厳密には喜多方市内)で講習会、
という結構ハードな日程でした。
ところが、今月のインカレや翌週琵琶湖で開催された「全国市町村交流レガッタ」で多忙だったせいかその頃から少し腰にストレスが来ていました。
ブースをやっていると通常よりも多くの人に施術をしてそれだけ前屈みの姿勢を摂っている時間が長くなります。
そんな中先週水曜日に早朝エクササイズで久しぶりの種目をやったら、それが裏目に出て腰に凄くダメージが来ました。
これはヤバい!翌日夜には戸田へ出発しなければいけないのに。
という訳でいろいろテーピングをしましたが、まだ痛い。
オマケに木曜の昼間に少しぐらい大丈夫だろうと腰を回したりしたら、痛みがひどくなりました。
言い訳がましいですが、ひどい痛みになると主観が入ったり変に知識がある為に迷いが出てしまいます。
背中・腰へのテーピングも、自分で貼るので不正確ですし。
その状態で夜戸田に向け出発。
運転中はそれほどでもなかったのですが、休憩で車を降りて歩いたりしたら腰に響きました。
本当に泣きを入れて引き返そうかなと思ったくらいです。
いつもは足柄SAの温泉で仮眠・入浴して早朝出発するのですが、今回このようなギックリ腰で入浴はできません。
動くと腰に響くので動きも遅くなるので、行けるとこまで行こうと川崎市の港北PAまで行って車中泊しました。
その間に運転しながら、「ひょっとして左の胸鎖乳突筋と右前斜角筋にテーピングしてみたら?」と思い付きました。
皮膚・筋膜を誘導してみたら確かに楽になりそう。
そこで寝る前にその2箇所にテーピングしてみました。
3時間ほど車で寝てトイレで起き上がったところ、予想を上回る効果がありスッと動けました。
それよりも膀胱の方がヤバかったですね(笑)
そのまま戸田に行って上記の予定をこなしても若干左腰に違和感がある程度で支障はありませんでした。
大事を取って21日はエクササイズはしませんでしたが、翌日の朝からいつも通りエアー縄跳びや四股を再開。
それ以降は順調に水戸・会津での仕事を順調にこなせました。
会津での仕事が長引き、北陸道の冨山付近で車中泊して翌朝敦賀ジャンクションで北陸道を下りました。
そのまま湖西経由で帰る途中にお茶でも飲ませてもらって休憩しようとボート時代の大先輩の家に寄ったら、孫を抱き過ぎて1週間前から腰痛がひどいとの事。
「ちょうどええとこに来た、腰やってくれ」と言われ、休憩のつもりがまたお仕事になりました。
この先輩も施術していて後もう一押しが欲しいというところで胸鎖乳突筋にテーピングしたら、状態が一段と良くなりました。
その後お茶していて、「水谷君、大丈夫?疲れてない?」と夫婦揃って気遣ってくれましたが、あんた達が疲れさせたんですわ(笑)
それ以降、C3の反対側の腰の不具合には胸鎖乳突筋を結構貼るようにしています。
やはり貼ると腰がしっかりします。
胸鎖乳突筋を調整すると、同側の大腿直筋だけではなく大殿筋の機能も回復してくれると感じています。
特にひどいぎっくり腰の方は身体を動かすのが大層なので、まずこういうところからアプローチしてあげようと思っています。
2018年9月30日 13:57