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楽水庵ブログ 5ページ目

「ボート選手の肋骨の痛みについて」を書こうとした矢先・・・

こんにちは、「キネシオ ローイング インストラクター」(キネシオテーピング協会認定ボート競技専門指導員)
京都府長岡京市のスポーツ整体院 楽水庵の水谷です。

先週に戸田へ車で行った事やワールドカップサッカーやらで結構ブログの更新ができていませんでした(^_^;)

さて、先週戸田へ行った際に寄った大学で「肋が痛い選手がいる」との事で、そのアプローチをアドバイスしようと思っていたのですが、生憎その選手が都合が付きませんでした。

その代わりと言っては何ですが、大学の合宿所でのセミナーが終わってから腰痛で悩んでいる選手2名から相談があり、翌日戸田で私が拠点にしているシェアハウスに来てくれました。

腰痛の悩みだったのですが、2選手共に腰痛が改善し練習強度が上がると今度は肋骨を傷めるリスクがありました。
調整をすると同時にアドバイスもさせてもらいました。


私が現役で漕いでいた頃はあまり「ボート選手の肋骨骨折」は聞いた事がありません。
どうも「ビッグブレイド」が普及した頃から増えだしたようです。
確かにビッグブレイドは水をしっかり掴めます。
私みたいに30数年ぶりに漕いだ者でもキャッチしっかり掴めましたから。

しかし、その分身体に負担が掛かってしまうようです。
では、どこに一番負担が掛かるか?
ずいぶん考えましたが、やはり「前鋸筋」という脇、胸の筋肉の横にある筋肉の機能低下が最重要です。

前鋸筋は、下の画像のように肘を伸ばして腕を真っ直ぐ前に押し出す筋肉です。




別名「ボクサー筋」とも呼ばれています。
ボクサーの脇の筋肉が発達しているのはそういう理由からです。

そしてこのストレッチングポジションが画像のような形です。






これは正しくボートのフィニッシュのポジションですね。
前鋸筋の状態が良くないと、このストレッチングポジションの時に筋肉が固くなり、かつローイングではこのポジションを取る回数が圧倒的に多い。
練習量の多い大学ボート部員なら尚更です。

単に骨が弱いのなら、マスターズでやっておられる皆さんの方が肋を傷める事が多い筈です。

しかし、私の知っている範囲では、腰や肩を傷めている方は多いけれど肋を傷めている方はおられません。
これは強度は置いておくとして、やはり反復回数の量ゆえと言っていいのではないでしょうか?

そして、ボート選手の肋骨を傷めるポイントは、大体下の図の通りです。




肋骨下部と、背面の季肋部に集中しています。
季肋部の「季」というのは「一番下」という意味だそうです。
前鋸筋と季肋部は動きが繋がっています。
ですから、前鋸筋の機能が低下していると季肋部の動きも悪くなり、ローイングの反復運動で最悪「剥離骨折」になってしまいます。

と、ここまで書こうと思ってた矢先に、病院実習で忙しかった医大のボート部員が久しぶりに来院。
今日も以前のように腰や膝かなと思っていたら、何とそれこそ「肋が痛い」との事。
あまりにもタイムリーです!!

先ほどの図を見せたら納得してました。
彼女が痛めていた部分は左肋骨下部。
仰向けで起き上がると結構痛みが出るようです。

検査してみると、左前鋸筋の機能が低下していました。
前鋸筋及び季肋部にテーピングし、更に首や肩の調整を左右共に。
患側は左ですが、ご存知の通り肋骨は左右繋がっています。
ですから、右の肩甲骨周りの調整をしても左肋骨の痛みは減少していきます。
肋骨全体を一つの「ユニット」としてみた場合、やはり反対側の動きも良くするべきと思います。

調整を終え、最後にエルゴを引いてもらいました。
エルゴを引くと少しは痛みがあるそうですが、仰向けで起き上がったりゴロゴロしたりする際の痛みはほとんど出なくなりました。
そこで、エルゴの途中で左前鋸筋のエクササイズを少しやり、再度引いてもらうと更に痛みは減少。

このエクサイサイズというのは、相撲でいうところの「テッポウ」です。
肘を少し曲げた状態で、掌を真っ直ぐ肘を伸ばしながら押します。
空手の付きやボクシングのストレートパンチでも良いですね。
現に戸田で前述の大学生を調整する前にお越しになったキックボクサーの方は、普段からパンチングをされているせいか前鋸筋に全く問題はありませんでした。
ただ、突きやパンチは「上肢の回旋」、つまり腕を回しながら行うという動作が伴い、前鋸筋以外の筋機能も必要になってきます。

そういう訳で、ここは「テッポウ」の方がローイングの前後に行う補強運動に向いていると感じます。
壁や柱に向かって脇を意識しながら「グングン」と押します。
これによって前鋸筋の機能が回復するとローイングにおける肋骨骨折のリスクは減少するでしょう。

最後に蛇足かも知れませんが、ボート選手の肋骨骨折は上の図のように肋骨下部と季肋部周辺です。
しかし、ウエイトリフターは第1肋骨の疲労骨折が多いようです。

この違いは、肋骨の引っ張られる方向がウエイトリフティングは鉛直方向、つまり上に引っ張られるのに対しローイングでは水平方向だからと考えられます。

これを読んでくださったボート関係者の皆さんにこのブログが少しでも役に立つのなら嬉しく思います。

*あくまで個人の感想です
*効果には個人差があります。


楽水庵


腰椎椎間板の詰りと向う脛の張り

こんにちは、「キネシオ ローイング インストラクター」(キネシオテーピング協会認定ボート競技専門指導員)
京都府長岡京市のスポーツ整体院 楽水庵の水谷です。

当院に通っていただいている皆さんも、この時期は身体のバランスが特に乱れやすいように見受けられます。

その中でも顕著なのが、腰椎4-5番間の詰りです。
腰椎4-5番間の詰りは、頚椎1-2番間ともリンクしていますので、一概に腰ばかりに原因があるとは言い切れません。
ただし、腰椎4-5番間の詰りが出ると、やはり下肢に大きな影響が出ます。

中でも一番影響が出るのが、向う脛です。
腰椎4-5番間が詰まると、腰椎5番下部から出ているL5神経の流れが阻害されます。
そのL5神経の皮膚支配領域が、正に向う脛なのです。

片側だけ向う脛が張っているのなら、原因は裏側の腓腹筋やひらめ筋の機能低下から引き起こされる「コンパートメント症候群」の疑い、もしくはその片側だけ何らかの原因でL5神経の走行が阻害されている、等考えられますが両側共に張りがあるのなら椎間板の詰りが真っ先に疑われます。

ただ、即「ヘルニア」という訳ではありません。
単なる椎間板の詰っているだけという事も多く、その詰りを除去してあげると向う脛の詰りはかなり改善します。

普段から左右共に向う脛がパンパンに張っている方は一度腰椎4-5番間のチェックをしてもらうと良いでしょう。
うつ伏せで腰椎4-5番間を動かして、ほかの椎間板よりも動きが悪かったり嫌な感じがすると要注意です。


*あくまで個人の感想です
*効果には個人差があります。


楽水庵

本当に急性か?「寝違い」、ギックリ腰との類似点

こんにちは、「キネシオ ローイング インストラクター」(キネシオテーピング協会認定ボート競技専門指導員)
京都府長岡京市のスポーツ整体院 楽水庵の水谷です。

ここ最近お越しになられる方のほとんどに、症状の大小に関わらず「寝違い」の症状が見られました。
ハッキリ「寝違い」でお越しになられた方もおられます。
自覚はないものの、チェックをしていたらやはり兆候が出ている方も多く見受けられます。

「寝違い」に一番関わっているのは、「肩甲挙筋」という肩甲骨を引き上げる筋肉です。
この筋肉は肩甲骨の内側から頚椎1番に向かって頚部の後ろを走っています。
ですので、寝違いの症状が出ている場合に真っ先にアプローチするのはこの肩甲挙筋です。

ただ、だからと言っていきなり肩甲挙筋を皆さん傷められたとは思えません。
傷めるには傷めるだけの理由があります。

そして、寝違いは皆さん「急に来た!」と思われていますが、そうではないと私は思っています。
少しずつ首周りや肩周りのバランスが崩れてきて、この肩甲挙筋にストレスが掛かってきていると思われるのです。
また、首周りや肩周りは仙腸関節を含む腰との関わりもあります。
肩や首だけが良くない人などおられません、そういう方は自覚症状の有る無しに関わらず腰の状態も良くないのです。

特にこの時期蒸し暑い日があったかと思うと、急に肌寒い日があったりと身体にはかなりストレスが溜まっています。
そのストレスがギリギリ持ち応えていた首に「最後の一撃」をしたものが所謂「寝違い」ではないでしょうか?
そういう意味では、「ギックリ腰」と症状の出方は同じですね。
幸い私自身はギックリ腰や寝違いを最近起こしていませんが、思い返せば3月・7月・11月と寒暖の差が大きい時期に起こしています。

ですので、寝違いやギックリ腰はギリギリ保っていたバランスが寒暖差でもう堪えきれなくなって起こしたものだと解釈しています。
急に来るものではありません。

気付かなくても、その原因は少しずつ身体に蓄積されていっています。


さて、対応としては肩甲挙筋へのアプローチは勿論、首・肩・腰のバランスを整えていくのが王道です。

ただ、そうはいっても急に痛みが出てそういう知識がない時は辛いですよね。
その時に絶対に避けてもらいたいのが、「お風呂」と「ストレッチ」です。
この2つをやって昔私は非常に痛い目に遭いました。

まだ前職で日曜日にテニススクールに通っていた頃、日曜の起きてみると首が痛い。
テニスに行かなければいけないので、慌てて風呂に入ってストレッチをしました。

すると、痛みが増幅し1週間ほど首を反らす度に痛みに悩まされました。

何故、入浴とストレッチがいけないのか?
急性の痛みに関しては、痛みが出ている部分にだけ血流を増やし組織の修復を図る必要があります。
この場合温めても冷やしても、どちらでも構わないと最近の学説では唱えています。

ただ、温める場合でもあくまで「患部だけ」です。
入浴すると全身の血行が良くなってしまうので駄目なのです。


ストレッチも同様の理由です。
本当は急性の痛みが出ている場合は、よほどでない限り(特に激しい)運動はしない方が良いのです。
野生の動物が怪我をした時、ジッとしているでしょう?
彼らは本能的にそれを知っているのです。
我々はその本能が薄れてきているのでしょう。

ですから、「あ、やったな」と感じたら氷やアイスノンで痛い処を5分ぐらいジッと押さえている方が痛みは軽減します。
最近常に首のバランスには気を付けてテーピングしてますので寝違いにはなってませんが、以前「やったな」と感じた時にそうしてアイスノンで首を押さえていたら、感覚的には痛みが半分ぐらいになりました。

次に食事に気を付けてください。
できれば刺激物を避けて(もちろんお酒も)、かつ量を減らす方が得策です。
量を減らすのは、消化の方に血流を持っていかれない為です。
また野生の動物を例に出しますが、本当に何も食べずにじっとしてますよね。
あれが本当に急性期には大事なのでしょう。

ついつい、日頃の忙しさの為に「直ぐ何とかしなければ」と考え、いろんなものに手を出してしまいます。
もう少し私たち自身の「動物としての本能」:に従って行動するべきでしょう。

*あくまで個人の感想です。
*効果には個人差があります。
 

いつまでも続く咳、違うアプローチで

こんにちは、「キネシオ ローイング インストラクター」(キネシオテーピング協会認定ボート競技専門指導員)
京都府長岡京市のスポーツ整体院 楽水庵の水谷です。

通っていただいている60代の男性がこの2ヶ月ほど咳が続いています。
この前までは「喘息テープ」という、胸骨と気道を刺激するテープを貼っていたのですが、あまり効果は出ていませんでした。


それが本日お越しになった時に、「この間テレビの健康番組で『長引く咳は、胃の問題、特に逆流性食道炎の可能性』と言ってました」と話されました。
それと、もう一つヒントがあり、いくら咳き込んでも喉は痛くならないそうです。
という事は、胃の問題の可能性が高いかも知れません。

それがヒントになり、噴門(胃の入口)を触ってみると、確かに動きが良くない。
噴門を含め内臓の筋膜は「時計回り」が正常なのですが、この方の噴門はやや「反時計回り」でした。
ちなみに、幽門(胃の出口)は時計回りで正常。

という事は、噴門の上の皮膚・筋膜の流れを正常化してみると咳はマシになるのでは、と判断して画像のように噴門の筋膜を誘導するテーピングを試してみました。




実感としては、「確かに違う!」そうです。
ただ、まだこれを貼った後も少し咳き込まれていました。

次に噴門の動きを阻害しているもの、それを考えました。

その前段階で胸骨の筋膜誘導はあまり効果を感じられていなかったので、それは選択肢から外しました。
そうすると、導かれるのが「横隔膜」。
ただし、これも状態によってどこを誘導するのか判断しなければいけません、前横隔膜・腹横筋・下後鋸筋等、いろいろあります。
今回は素直に「前横隔膜」を狙いました。
前から胸郭の下を水平にミゾオチに向かって左右から皮膚・筋膜を寄せると楽な感じが出ました。
その状態をキープする為に直径5㎝のπテープを左右1枚ずつ貼りました。

ありがたい事に、それを貼ってから帰られるまでの1時間ちょっと咳き込まれる事はなくなりました。
この状態がずっと続いてくれたら良いのですが。
ただ、実感としては息も楽になられたようですし効果はあったと信じています。


*あくまで個人の感想です。
*効果には個人差があります。


楽水庵

 

Webサイトをリニューアルいたしました。

今後とも「楽水庵」をご愛顧のほど、よろしくお願いいたします。

大谷選手の肘内側側副靱帯、本当にピッチングで?

こんにちは、「キネシオ ローイング インストラクター」(キネシオテーピング協会認定ボート競技専門指導員)
京都府長岡京市のスポーツ整体院 楽水庵の水谷です。

エンゼルスの大谷 翔平選手が右肘内側側副靱帯部分断裂で故障者リストに入りましたね。
当面は「PRP注射」という自身から採取した血液の血漿分を内側側副靱帯に打ち、速やかな回復を目指すそうです。
確かヤンキースの田中将大投手もPRP注射をして復帰しています。

この治療法があるという事は、やはり靭帯にも血流があり、血流を促す事により組織の修復は促されるという事を証明しています。
これは前回の指の亜脱臼に対するアプローチ(リンク)と同じ根拠に立っていると言えます。

ただ、少し異なるのはPRP注射は打って安静にするのに対して、私のやっている靭帯へのアプローチは「ある程度動かしてもらった方が治りが早い」点です。

何故か?
関節が伸展時(この場合は肘)に内外とも側副靱帯は縮まなければいけません。
それが組織が損傷している為、本来縮まなければいけない靭帯に弛みが出ています。


PRP注射は靭帯に直接血漿分を打ちこんで組織の再修復を図ります。
私のテーピングはキネシオテープの特性ー縦には伸びるが横には伸びないーを使い(中には素材により縦横ともに伸びるものもある)、肘関節が進展した時の靭帯の弛みを「ロック」します。
下の画像のようにです。

20180610takahashi1.jpg20180610takahashi2.jpg
この方はソフトテニスをされていて、来院される1週間前にプレー中にかなり無理な体勢でバックハンドを打ってから右肘が痛くなったようです。
ストレステストや触診により肘内側側副靭帯が弛んでいるのが判明したので、弛みをロックするテープを貼りました。
内側だけではなく外側にも貼ります。
両方でバランスを取っているので、そうした方がより確実と思えるからです。
そうしておいて肘が安定したなら、無理のない範囲で肘関節の屈伸運動をする事で血流が上がります。
その恩恵で靭帯組織の修復がスピードアップされるのです。


また、この方は首の左C3神経が詰まるタイプです。
このタイプは右中斜角筋が機能低下しやすい。
中斜角筋の機能低下は、上腕三頭筋の機能低下を起こします。
大腿直筋の機能低下が膝の側副靱帯損傷を起こす要因になるのと同じです(リンク)
タイプによって肘を傷めやすい事はあるようです。
右利きで左C3神経が詰まっていると要注意でしょう。

加えて、肘の靭帯損傷している方は、それ以前に肩の靭帯(肩甲上腕靭帯等)を傷めている事が多いのです。
その為にピッチングなど振り下ろした際、胸と腕のリンクが切れている為に「手投げ」になっているので余計に肘に負担が掛かるのです。
テニスだと特にスマッシュやサービスの時に「腕が抜けそう」な感覚になります。

ですから、肘のトラブルの際はそこだけチェックするだけでは本当の解決にはなりません。
首・肩のチェックも必ずするべきです。
そうでないと単なる「対症療法」に終わってしまうのです。

最後に、大谷選手の靭帯損傷はピッチングが原因と考えれていますが、本当にそうでしょうか?
ソフトテニスの男性の例をもう一度考えてみましょう。
彼はバックハンドで肘を傷めました。
大谷選手は左打ちです。
ちょうどテニスで右打ちの人のバックハンドと同じ体勢ですね。
田中投手らだとピッチングが原因と特定できますが、大谷選手のように「二刀流」でバッティングも精力的に行っている選手の場合、ピッチングが原因と決めつけるのは少し乱暴な気がします。

ともあれ、大谷選手の早い復帰を期待します。
もちろん、無理のない復帰をです。

*あくまで個人の感想です
*効果には個人差があります。


楽水庵



バレーボール やっぱり多いな・・・小指の亜脱臼

こんにちは、「キネシオ ローイング インストラクター」(キネシオテーピング協会認定ボート競技専門指導員)
京都府長岡京市のスポーツ整体院 楽水庵の水谷です。

最近金曜日の夕方は長岡京市にある西山公園体育館に行き、長岡京市バレーボール協会が開いているバレーボール教室で、スポーツ障害等のケアでボランティアをさせてもらっています。
バレーボール教室を担当されている方が私と同様キネシオテーピング協会員で「手伝っていただけませんか」とお願いがあり、時間があれば行かせてもらっています。
幸か不幸か、最近金曜の夕方に時間があるので(笑)、毎週行っています。
相談に来られる方の悩みを聞いて、適切なアプローチで症状が軽減するテーピング、そして今後のアドバイス等をさせてもらっています。


一番多いのは膝です。
ただし、これも見た限りでは強力な外力が掛かってというようなものではなく、この図のように首のバランスの乱れから来る大腿直筋の筋低下が主たる原因です。

20180512gazou_knee.jpg


昨日来た小学生の男の子は右の脛に痛みがありましたが、原因はリスフランでした。
そしてリスフラン障害を起こした切っ掛けは、「新しい靴」。
新しい靴の、特に甲の部分がフィットしていないと案外リスフランを起こす気がします。



さて、ここからが今回の本題。

ママさんバレーをされている方々に圧倒的に多いのが、小指の第2関節(PIPと言います)の「亜脱臼」。
過去にボールに弾かれた時に傷めて、以後小指が真っ直ぐに伸びない状態です。


これは亜脱臼を起こした際に第2関節附近の外側側副靱帯、あるいは内側側副靭帯が弛んでしまっている事が原因です。
特に指を伸ばそうとした時に筋肉は指令を受けているのですが、靭帯が弛んでいるので筋肉が上手く作動しないのです
また必要以上に筋肉に負担が掛かるので痛みを感じます。
実は靭帯には「痛点」がないと言われていて、曲げたり伸ばしたりする際に痛みが出るのは筋肉の方と言われています。

一応皆さん整形外科等には行かれていたそうなのですが、改善が見られないので放置されていました。
そこで、こういうテープを貼りました。

20180609littlefinger1.jpg20180609littlefinger2.jpg これは第2関節附近の靭帯の弛みを「ロック」させます。
外側・内側どちらの側副靭帯も貼っておいた方がより効果が出ます。
内外どちらにも靭帯があるという事は、両方でバランスを取っているのですから。

これを貼ると、皆さんその場で指が真っ直ぐに伸びます。
後は貼りっぱなしにしておいて1ヶ月ぐらい「剥がれたら貼り直す」を繰り返すと、徐々に靭帯の修復が進むので以後テーピングしないでも大丈夫になる筈です。

*あくまで個人の感想です
*効果には個人差があります。


楽水庵





「左足の人差し指が歩くと痛い」、S2神経が意外な・・・

こんにちは、「キネシオ ローイング インストラクター」(キネシオテーピング協会認定ボート競技専門指導員)
京都府長岡京市のスポーツ整体院 楽水庵の水谷です。

昨夜お越しになった常連の男性。
ご近所から歩いてこられたのですが、その5分ほど歩いている際に左人差し指(2趾)の内側に擦りむいたような痛みがあったそうです。

単に皮を擦りむいた可能性も考えられますが、見たところそういう症状はありません。
突き指の可能性も、指(趾)を曲げ伸ばしして問題ないのでこれも可能性は薄い。

そこで2趾の伸展力のテストをしたところ反応できませんでした。
3趾(中指)も同様。
ちなみに、右の2趾・3趾は正常に反応できていました。
この場合考えられるのは左S2神経、仙椎の2番から出ている神経が詰まっている状態です。

以前の私なら迷わず中枢のS2神経根にジェルフィッシュテープを貼っていたでしょう。
ただ、最近S1やS2神経の末梢の詰りは、もちろん中枢に原因がある事もありますが、どちらかというと途中経路の靭帯・筋肉等に問題がある事が判ってきました。

例えばS1神経ですが、これが詰まると小趾(小指)の力が入らない・感覚が薄い等の症状が出ます。

途中でS1神経が詰まらせる原因は他にもあるのでしょうが、「大腿直筋」の機能が低下が結構関係しています。
ですので、大腿直筋の機能を回復させるとS1神経の詰りが解消させる事が多いのです。

S2神経に話を戻して、果たしてS1神経と大腿直筋みたいな関係になっている箇所はあるのか?
少し考えましたが、ひょっとしたらと思いリスフラン障害をチェックしました。
そうすると陽性。
陽性かどうかを判断するのに、私は足底筋のテストとリスフランの触診をします。
リスフラン靭帯が弛んでいると「足底筋」というふくらはぎのインナーマッスルの機能低下を起こします。
足底筋は大雑把な言い方をすると、大腿骨の下端部外側からふくらはぎを斜めに横切って足首内側に走っている筋肉です。
S2神経も下肢の裏側のほぼセンターを走っています。

という事は、リスフランが原因で足底筋の筋低下を起こし、またその為にS2神経が詰まったと考えられます。
そこでリスフランへのアプローチ。
すると、2趾・3趾の反応が格段に良くなりました。
歩いてもらっても痛みは出ません。
ついでにリスフランをやると、これまたオマケで付いてくる「後脛骨筋」の機能低下もテーピングで対応。

考えてみればリスフランの(1)と私が呼んでいる母趾と2趾を繋いでいる靭帯が弛めば2趾に影響が出る事は当然かも知れません。
ただ、3趾にも影響が出ているという事はS2神経の末梢が何らかの原因で詰まったと判断して良いでしょう。

「中枢か、末梢か?:」
左右共に同じ症状が出ていれば中枢を疑うのが自然です。

しかし、このように片方にしか出ていない場合は末梢の可能性も大です(仙腸関節が詰まっていて出る事もある)。
そして、症状が特に末端に出ている場合は途中のどこかで神経の流れが阻害されている事が多いと思われます。

今回も本当に貴重な体験をさせてもらえました。
ありがたく感じます。

*あくまで個人の感想です
*効果には個人差があります。

楽水庵


「第13回公開セミナー」盛況でした(^_^.)

こんにちは、「キネシオ ローイング インストラクター」(キネシオテーピング協会認定ボート競技専門指導員)
京都府長岡京市のスポーツ整体院 楽水庵の水谷です。

去る6月2日に延期していた第13回「公開セミナー」を開催しました。
本当は4月の予定だったのですが、常連メンバーの都合が付かないのと、5月は私自身が戸田へ行ったり熊本菊池のレースへ(前にも書きましたが、今回は漕ぎました!!)行ったりでなかなか日程が合わず6月までずれ込んだ次第です。

今回は名古屋からいつも身体のどこかに問題のある選手を連れてくる常連のN大トレーナーが不参加。
その代わりと言っては何ですが、あの「白い巨塔」の舞台となったO大医学部のボート部員が4名参加してくれました。

5回生の女子部員が当院に通っている縁もあり、2回生の部員を3名連れてきてくれました。

また、前日一緒に木屋町で飲んでいたH橋大OBの方が、T外大のOBの男性を伴って参加。
どうもT外大の方は1年ほど前から坐骨神経痛と診断された腰痛で苦しんでいて、全く漕げない状態だとの事。

いつもとはかなり違う構成でしたが、セミナー自体は通常通り。
参加メンバーの中からモデルを選び、ケーススタディでその人の診立てやアプローチを学んでもらいます。

20180602koukai1.jpg20180602koukai2.jpg
首のバランスはもちろん、最近私が見つけたボート選手の膝傷害へのアプローチ、それに常連で先天性股関節亜脱臼の症状がある人に対するアプローチ、という具合に進行していきました。

そして、最後にT外大OBの方へのアプローチ。
坐骨神経痛との事でしたが、脊柱起立筋群の一つである「胸最長筋」という筋肉が機能低下していたのと仙腸関節の動きが悪かったのが主な原因でした。

胸最長筋が機能低下すると、椅子から立ち上がる、車から下りてスッと立つという動作をする際に痛みや痺れを伴う症状が出ます。
じっと座っている時は案外大丈夫なので厄介です。
私も以前はこういう腰痛を何度も起こしていたので、この辛さはよく知っています。
かなり楽になり大阪市内にお住まいという事なのでしばらく通っていただきます。
再びボートを漕げる日もそんなに遠くないと思います。

今回初めて来てくれたO大医学部の学生達ですが、5回生の女子を除くとキネシオテーピングの効果を体験するのが今回初めて。
かなりのカルチャーショックだったようです。
彼ら・彼女らの学問のお役に立ったかどうかは疑問ですが、しっかり結果を出す私を間近で見て何か感じてもらえれば十分だと思います。
また機会があれば参加してくれるでしょう。

という訳で、なかなか賑やかなセミナーになりました。

次回第14回は、7月7日(土)17時からです。

*あくまで個人の感想です
*効果には個人差があります。

楽水庵


足首の捻挫やリスフラン障害の回復をより早くするのには?

こんにちは、「キネシオ ローイング インストラクター」(キネシオテーピング協会認定ボート競技専門指導員)
京都府長岡京市のスポーツ整体院 楽水庵の水谷です。

お蔭様で現在足関節の捻挫やリスフラン障害で靭帯が弛んでしまった方に対し有効なテーピングができていると自負しております。
問題は徐々にテーピングが剥がれても状態が良くなっていなければいけないのに、いつまでもテープが剥がれると痛みが再発するケースです。

この場合どこに問題があるのかをもう一度洗いださなければいけません。

股関節・膝関節等いろんな可能性がありますが、現時点で私は大きく2つあると考えています。

一つは、脛骨神経の流れが悪く、その為に末梢までの血流が阻害され、また皮膚・筋膜の流れも阻害されている可能性です。
モートン病でもそうですが、脛骨神経が詰まっていると末梢の方に痺れを起こす事が多いです。
私自身も左下腿部に痺れや嫌な感覚が出る事が結構あります。
これに関しては脛骨神経を膝窩(膝の裏)で圧迫している膝窩筋の状態をテーピングで良くすると改善する可能性が高いです。

もう一つは、膝の状態です。
この間ボート選手に多い膝の傷め方(リンク)というのを紹介しました。
ボート選手はどちらかというと膝の半月板の外側と、それに伴い内側側副靱帯が弛んでしまうという事を書きました。

しかし、他のスポーツをされている・されていた方には、その反対のパターンが出ている事もあります。
つまり、半月板の内側を傷め、その為に膝蓋骨が内に引きずられる為に外側側副靱帯が弛んでしまうというパターンです。
こういう場合も膝のアライメントが狂いやすいので足首の内側や外側に余分な負担が掛かり、その為に足関節の回復が遅れるという事が結構あります。

通っていただいている20代男性もそのパターンでした。
今はスポーツはされていませんが、高校時代陸上競技の跳躍種目をしていて試合前に足首を捻挫しました。
結構重度の捻挫だったそうなのですが、顧問に促され試合に強行出場し、以後全身のバランスが乱れたそうです。

だいぶ全身に渡り改善はしてきているのですが、まだ右足首に少し不安が残っていて母趾で踏ん張れないと言っておられました。
足関節のゆるい靭帯や母趾に掛かる筋機能は全てチェックしましたが正常。
そこで膝をチェックすると半月板の内側と外側側副靱帯を傷めていました。

20180602inaba.jpg

テーピングで機能を正常化すると、しっかり母趾で踏ん張れるようになりました。
膝の横の丸いテープと膝蓋骨をY字で包んでいるテープがそうです。

このアプローチを続けていくと、やがてテーピングなしでもしっかりする筈です。
また、「逆も真なり」で膝がなかなか良くならない場合は足関節もしっかりチェックする必要があります。
膝関節は股関節と足関節の板挟みになっている箇所ですので。

*あくまで個人の感想です
*効果には個人差があります。


楽水庵








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