楽水庵ブログ

顎関節症:肩甲下筋と中斜角筋との関連性

最近になって顎関節症で来院される方が急増してきている。
寒い時期は首の張りが強くなりやすく、それが顎関節症の悪化を招いているようだ。

最近では、「顎関節症は全身のバランスが崩れたサイン」という考えの下、全身の調整を必ずするようにしている。
もちろん、腰の状態が良くない方も多い。
首と腰は脊柱の両端で、互いにバランスを取っているので、必ずチェックは必要。
「首が悪い人は腰を、腰が悪い人は首を、必ず診る」を実践している。
腰から下の状態が改善するだけで、口が開きやすくなる人もおられる。

そんな中でも、顎関節症で来られる方の共通点として、顎の悪い側の中斜角筋と肩甲下筋の状態が良くないことが挙げられる.
肩甲下筋は肩甲骨の奥に付いていて、表側に付いている棘下筋(きょっかきん)と対になっている。
肩甲下筋が上肢を内旋させる役割を、棘下筋が外旋させる役割を担っている。

先ほど書いたように、顎関節症の方はこの肩甲下筋が拘縮、つまり固く縮んだ状態になっており、結果的に棘下筋が弛んでいる。
上肢の内旋が強いとも言える。

それと、首の中斜角筋。
これと肩甲下筋の関連は、ひょっとしたら「アナトミー・トレイン」、筋膜の関連性で証明されるのかも知れないが、今のところ自分にはそれは判らない。
とにかく、臨床でそういう傾向が強いとしか述べられない。

と言っても、この2つさえ押さえて、後は顎関節への直接手技さえすればそれで良いとは思えない。
それ以外にもある様々なマイナス要因を取り除いてあげなければ、本当に良くはならないだろうと考えています。





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