楽水庵ブログ

ピッチャーの肘のトラブルについての考察

少し前に田中マー君の肘の故障について書いた。
今回はそれに関連したものです。

よく、メジャーの使用球が滑りやすいからとか、中4日のローテーションが過酷だからとか、
いろんな原因が挙げられているが、そんな中でスプリットボールの多用というのもあった。

フォークボールの一種で、フォークよりは落ちないがスピードが出るそうだ。
まあ、カーブに対するスライダー的なものでしょう。

そして、スプリットを多用すると何故故障するかというのに、
投げ方云々ではなく、スプリットはストレートを投げるとバッターに思わす為に
より速い腕の振りをするから、という考察がありました。

これは非常に興味深いものです。
というのは、この間まで通っていた高校球児(ピッチャー)が
「バッティングピッチャーをすると肩や肘が痛くなる」と言っていたからです。
というのも、相手が打ちやすい球を投げてあげようとボールを置きにいくようなのです。

今月、ブライトボディさんの勉強会でたまたまその時のテーマが
野球における肩や肘の故障で、ディスカッションの際に私がそういう例を挙げ、
ただ現場では見た事がないんでと言ったら、現場で見ておられる理学療法士さんが
「実際バッティングピッチャーをしてると皆投げ方が不自然になってますよ」と言っておられた。

下半身から作り出したパワーを最後に腕の振りでボールにパワーを伝える、
そのリズムが、片や腕の振りを速くしようとして傷め、またその逆で球を置きにいく、
つまり最後の腕の振りにブレーキを掛ける(遅くなる)、そのどちらでも故障の原因になるようです。

ただ、競技というのは相手のタイミングを外すのも重要なファクターです。
フェイント全てをスポーツ障害の原因になるから、と除外してしまうと
スポーツそのものが成り立たない、といった事にもなりかねません。

どうバランスを取るか難しいところです。


過去の記事

全て見る