楽水庵ブログ

全体のチェックの重要性

ベテランの治療家の中には、
「患者さんが来て検査するのなんか素人のやり方、
プロは患者さんが入ってきた時に決めつけるんや」
と豪語される方もおられる。

だけど、それで本当に良いのだろうか?

症状は人それぞれ、また良くなっていく過程も人それぞれ。
例え改善していっている間でも、依然とバランスが変わってしまい
新たな痛みが発生する可能性もある。
そういうのをその時々に応じて対応していく必要もある。

それと、全身のチェックをする事によるメリットは、
その痛みが起こる根本原因が見つかる可能性が高い点。

よく例に挙げるが、膝関節のトラブルは主に股関節が原因の事が多い。
しかし、目の前の方が、「膝の内側が痛い」とか「膝の下が痛い」と訴えた時に、
全体の検査をせずに、どこまで股関節の問題を感じる事ができるだろう?

結局、対症療法でお茶を濁し根本原因を解決せぬまま、
とりあえず痛みが治まったからこれで終了、とはならないだろうか?

もちろん、根本原因の究明というのは非常に難しい。
先ほども挙げた膝のトラブルなんかでも、
膝周りが痛いのは股関節のトラブルだと判明しても、
ではその股関節のトラブルはなぜ起こる?と考えると、
生活習慣やスポーツをされている方ならその時の身体の動かし方、
とか様々な要因が考えられるからである。

普段の座り方一つでもかなり変わるものである。

そう考えると非常に大変だが、
この仕事を選んだ以上そこまで考えてあげ、
また初心を忘れずに施術していきたい。

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