楽水庵ブログ

坐骨神経痛とギックリ腰

かなり前から腰痛と右母指から小趾にかけての痺れを持っておられた60代男性。

ご家族が当院に通っておられて、何度も行くように奨められていたのだが、なかなか踏ん切りがつかなかったようなのだが、3日前にスーパーの駐車場で車から降りる際に腰を捻られたという事で来られた。

表現は変だが、フレッシュなギックリ腰。
それも、入浴するとか余計な(というかマイナスになるような)行為をされていなかったので助かった。

勘違いされている方もおられるかも知れないが、ギックリ腰のほとんどは骨には関係ない。
では、何故あのように痛いかというと、それは表面上の痛みだから。

痛みというのは、浅い処の方が激しい。
深い処の痛みは、痛い事は痛いが「なんか体の奥の何とも言えない気持ちの悪い痛み」とほとんどの方が表現されるような痛みである。
そのいい例が梨状筋とかの深層筋の痛み。

だから、表面がそんなに痛いのだから奥はもっと痛いだろうというと、それは一概には言えない。
案外、奥の方はそんなに痛くない事が多いのです。

前にも書いたが、ギックリ腰の場合はしっかりした検査は無理。
まず、炎症を起こしている部分のリンパを流すコレクションテープを貼って、リンパの流れを促進し患部の炎症を軽減させる。

次に少し楽に動けるようになったら、トリガーポイントで原因の筋肉を探して、それへのテーピング。

急性期に手技は禁物。
テーピング及びアイシングだけにしておくべき。
それも炎症の強い患部だけに限定しておくべき。
他の部分は後回しにしても良い。

この方の場合、椅子から立ち上がる時に非常に痛いのと、痛い場所が仙骨付近だったので右胸最長筋と推測。
念の為テストをすると完全に陽性だったので、テーピング。
また右内腹斜筋も弱っていたので貼付。

次に痺れの対処。
これは右腰椎5番と仙椎1番に神経障害があったので、ジェルフィッシュテープ。
梨状筋も弱かったので、通常ならスリットテープを貼るのだが、リンパコレクションテープと貼る方向が逆になり皮膚の動きが悪くなる恐れがあったので、πテープにした。

炎症があったので、完全に痛みは消えなかったが、アイシングとアイシング後にバイオフリーズを塗るようアドバイス。

2日後に来ていただいたが、かなり痛みは軽くなっていた。
もう一度検査をすると、胸最長筋は良くなっていたが腰腸肋筋が陽性だったので、テーピング。

また腰痛の原因にひらめ筋もあったので、両方に貼付。
右長母趾伸筋と長趾伸筋のテーピング。

テーピングなしでも痺れが取れるまでにはしばらく掛かるので、しばらくは週に1度ぐらいのペースで来ていただくつもり。

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