楽水庵ブログ

「貼り過ぎに注意!左親指等の痛み」

こんにちは、京都府長岡京市でキネシオテーピング協会認定治療院を開いている 楽水庵です。

この秋から通っておられる男性が前回来られた際に左親指の第1関節辺りが机で反ったりすると痛いと訴えられました。
また前腕を回内すると余計に痛みが増すようです。

原因として最初に考えられるのは、第1関節の側副靱帯損傷。
そこでまず第1関節の内外側副靱帯にテーピング。

従来の靭帯テープだと靭帯の流れに沿ってテンションを掛けて貼りますが、これは逆に靭帯の弛みをロックさせる為にテープを横切らせます。
テンションは掛けません。
他の指だとこういう風に貼ります。

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これだけで伸びにくかった指が嘘みたいにすっと伸びます。
この間東京であったキネシオのシンポジウムに出席させれていたスポーツ関連の社長さんが、昔柔道で左小指の靭帯を傷められ「もう伸びない」ものと諦められていたのを、こういう風にテープを貼ったら即座にスッと(まあ、完全にではありませんが)伸びてきて感激されていました。

次に回内した時に痛みが増すという事は、円回内筋や回外筋に問題があると判断、テストをしてみたらどちらも陽性でした。
その2つの筋肉をπテープで調整。

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これで例の痛みを増す動きをしてもらうと、かなり楽になっていました。
しかし、そこで悪い癖が出て、まだ楽になるかと更にテープを貼ってみた処、これが逆に痛みが増してきたので即座に剥がしました。

最近、今までの自分は少し貼り過ぎる傾向があったのでは、と少し反省しております。
そこの痛みをその場でゼロにするという事は、どこか別の箇所に歪をもたらせている可能性があるのです。
「痛みをゼロにする」のではなく、「痛みをコントロールする」に意識を変える必要があると思うようになってきました。
ただ、この仕事をしていると、どうしても「痛みがその場で全くなくなった」と言ってもらいたいという虚栄心は正直あります。

生きている限り、大なり小なり痛みと付き合っていかなければいけません。
生きている限り、多少痛いのは受け入れる必要があるのです。
問題は、変に精神論をかざして「どんな痛みでも耐えろ」ではなく、「痛みを上手くコントロールする」事なのです。

施術前に10に感じていた痛みが、術後1~3ぐらいに軽減していたらかなり快適な筈です。
今まで無理だった動きとかもできるでしょう。
それで良いのです。
その1~3になった痛みを、次回はそれを10として痛みのレベルを下げていけば良いのです。

そういう訳で、目の前の痛みを全てなくす為に逆に他の処にアンバランスを生じさせる、そのようなテーピングはしないように心掛けております。

楽水庵


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