楽水庵ブログ

「ナンバ歩き」

たまたま、先日の勉強会後の雑談で、交通事故で複数箇所骨折されてまともに歩けない方が、
右足と右手を同時に出す「ナンバ歩き」をアドバイスしたところスイスイと歩けた、と言う話が出ました。

一時、陸上の末続選手が「ナンバ走り」で注目されていましたね。
別に末続選手は右手と右足を同時に出した走りをしていたのではありませんが、
そういう体の使い方をトレーニングに取り入れて走る時のバランスを良くしたそうです。

江戸時代の飛脚はこの走り方をしたから長い距離を走れたとも言われています。
今でも「ナンバ」的な体の使い方をするのが、剣道の足捌き、竹馬、相撲の鉄砲等があります。
江戸時代までの日本人は皆ナンバで歩いていたと思っていたのですが、これは自分の勘違いらしく、
そういう訓練を受けた人、先ほどの飛脚や武士等しかこういう歩き方・走り方はしなかったそうです。

また餅つきの足の置き方も「ナンバ」と言えるでしょう。
自分も10数年前生まれて初めて餅を付かされた時は右利きなので、
最初普通に左足を前に出して付いていましたが、なんか上手くできません。
周りを見ていると右足を前に出して付いている人が多いので、そうしてみると軸が安定しました。
撒き割りなんかもその要領でやると良いのかも知れません。

翻ってみると自分が石段でやる「逆さ上がり」というエクササイズも「ナンバ」の動きです。
人間にとって全てではないかも知れませんが、ある動きをする時に「ナンバ」は自然なものなのでしょう。
漫画やドラマでよく緊張して右手と右足が同時に出る、というギャグがありますが、本当にそうなのでしょうか?
実はこの動作は熟練していないとなかなかできないものです。

少し涼しくなってきたので、自分もウォーキングをやり始めていますが、
その中で「ナンバ」も少し取り入れています。
そして気付いたのですが、「ナンバ」は階段や急な坂の上り下りの際に使うと、
軸が非常に安定し楽に歩けます。一度試してみて下さい。
階段の上り下りで膝が痛くなる、といった方は試してみる価値ありだと思います。

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