楽水庵ブログ

中高でハードな部活をしている(していた)女子に多い症状

こんにちは、楽水庵です。

先週「中日本レガッタ」に行った際の事です。
他でも書いていますが、今年は名古屋大が補助員の当番だった為に昨年みたいにコンディショニングを含めて沢山訪ねてくるという事はありませんでした。

ただ、4回生の女子が「腰が痛い」と来ました。
チェックをしていると、高校生の女子でも多く見受けられるS2-3間の椎間板が詰まっていました。
Sというのは、仙椎から出ている神経です。

senkotu2.jpg

この画像の中央にある仙骨の上から数えて3つ目の穴(仙骨孔)から出ている神経がS3神経で、真ん中に見える突起が椎間板の名残です

高校生ぐらいから癒合して「仙骨」という一つの骨になりますが、元々は頚椎・胸椎・腰椎のように一つ一つの椎体なのです。
まあ、何故「仙骨」ができるのかと考えると、私は「子宮」を守る為と思いますね。
仙骨の前面には「子宮」があるので恐らくそうでしょう。
何故男性でも仙骨ができるのかと考えると、元々女性の形から染色体の関係で男性になっていくのを考えると(胎児時代に)女性だった名残なのかも?
仙骨が形成される時期は、出産に適した時期と合致するからそう考えても不思議ではないでしょうね。

まあ、余計な詮索は置いておいて(^_^;)
上の名古屋大の女子も中高とソフトテニスをハードにやっていたそうです。
うちに来ているラクロス部の女子高校生達も、S2-3間の椎間板が詰まっている子が多いですね。
特に中学でハードにやっていた子ほどそうです。
逆に男子ではそう多くはありません。
S3神経が詰まっていたとしても、どちらか片方というケースがほとんどで、それはほとんど「座り癖」によるものです。

この違いは一体どこから来るのでしょう?

やはり、女子特有の「生理」にあると思います。
特に生理中に無理をした場合、こういう傾向が強い。
うちに来られている女性とかに話を聞いても、運動部にいた子ほど強い生理痛とかに悩まされていた覚えがあると話されています。

また、運動をしていると血行が良くなって「冷え症」なんてならない筈と思われているかも知れませんが、案外下半身の冷えに悩まされている運動部の女子は多いのです。
反対に帰宅部の子はそれほどでもない。

それと、パフォーマンス的に見られる傾向は、運動をしている割には「腹筋トレーニングをさせると弱い」という点。
これは簡単に説明できます。
S3神経は恥骨周辺の皮膚を神経支配しています。
という事は、その内部の組織にも影響を及ぼしています。
4つある腹筋群のうち、腹直筋と外腹斜筋は恥骨に繋がっています。
という訳で、この2つの筋肉の筋機能が低下しているのです。
また外腹斜筋が機能低下しているので、鼠蹊部(そけいぶ)も詰まりやすくなっています。

では、何故か?
以前どこかで生理中は体中の靭帯が弛むというのを読んだので、調べてみました。
それも一理あって、ひどい捻挫をした訳でもないのに足首がグラグラの女子も理由が判ります。
しかし、それよりも「なるほどな!」と感じたのが、生理前に「リラキシン」という物質が分泌されるという点。
この「リラキシン」が分泌されると、体中の靭帯が弛むのもありますが一番大きな作用は「恥骨結合」を弛める働きをするという事。

本当に私見ですが、これが物凄く関係していると思います。
仙骨がしっかり形成されてからだと影響は少なくなると考えられるのですが、まだ仙骨が形成途上の段階で生理中に恥骨結合が弛んでいる状態でハードな運動をすると、どうしてもそのあたりの椎間板が詰まってしまう気がします。

ただ、仙骨は30代前半までゆっくり形成されていくので、完全な形になった時にこの悩みから解放される女性もおられるような気がします。
それでも結構学生時代は皆さん苦労されているようです。

私のやっている、S2-3間の詰りを取る方法でかなりこの悩みから解放されますが、ベストなのは中高時代、特に中学時代ハードな部活をするとしても、「生理中は控える」事ではないでしょうか。
元々生理が重い女子なら休むでしょうが、案外生理が軽い子が楽観視してやってしまう事も多いような気がします。
それと男子と一緒に部活をしていたら、「生理日がばれてしまう」というのもあるのかも知れません。
しかし、こういう事で冷やかすような事がないように指導者がしっかり「生来君達の子供を産んでくれる為だ」みたいな事を指導してあげなければならないと思います。
これこそが本当の『性教育』ではないでしょうか。

発展途上の身体ですからいろいろあるでしょうが、高校生や大学生の女子を診ていて以上のような私見を持つに至りました。
勿論エビデンスはありません、機会があれば録ってみたいとは思います。

中高生の女子を指導している皆さんに一読していただく事があれば幸いです。


楽水庵








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