楽水庵ブログ
長距離ランナーとよく似ているボート選手の肋骨骨折
こんにちは、「キネシオ ローイング インストラクター」(キネシオテーピング協会認定ボート競技専門指導員)
京都府長岡京市のスポーツ整体院 楽水庵の水谷です。少し前にボート選手の肋骨の痛みについて書きましたが(リンク)、今回はそれに関連して。
ざっくり繰り返すと、前鋸筋という脇の筋肉の機能が低下した状態でローイング動作を繰り返すと、フィニッシュので腕を引いた状態で前鋸筋が引っ張られ、そうすると肋骨も引っ張られて最悪の場合剥離骨折してしまいます。
何故なら、フィニッシュの動作が前鋸筋のストレッチポジションになるからです。
ストレッチポジションと言っても状態が良ければ引っ張られません、ただ緩むだけです。
緩まず固く引っ張られるのでそういう状況になってしまうのです。
そして、このリスクは練習量に比例するようです。
これも繰り返しますが、圧倒的に大学のボート部員に発症例が多いですね。
マスターズや中高生ではあまり聞きません。
圧倒的に練習時間が長いせいだと思われます。
そう考えた時に思い出したのが、数年前ウルトラマラソン前に肋骨骨折をされた女性。
当時は気管支炎を患ったまま走り込みをして、痛いのをストレッチングで何とかしようとして負ったものだと思っていました。
もちろん気管支炎の影響はあったのでしょうが、今から考えると折った側(右)の前鋸筋の状態が良くなかったのでしょう。
個人差はありますが、ランニングで腕を引いた時のポジションはボートのフィニッシュとよく似ています。
この引いた際に前鋸筋が突っ張り、結果肋骨が引っ張られる、それも距離を伸ばすとリスクが高まります。
また、これは余談ですが、かなり前にフィギュアスケートの安藤美姫さんがジャンプのせいで肋骨を骨折した事がありました。
どちらを折ったかは覚えてませんが、おそらく回る側だと考えられます。
というのは回転する際にグッと肘を後ろに引きますから。
多分この場合は、回数というよりも強度だったのだとは思いますが。
それでも、このように肘を曲げて腕を後ろに引く動作というのは、前鋸筋の本来の機能(肘を伸ばして手を前に押す)がしっかりできていないと競技によっては肋骨骨折を引き起こすリスクが高いと言えるでしょう。
競技志向が強ければ強いほど更にリスクは高まります。
*あくまで個人の感想です